『靴底クンたちの過酷』~~~~~(m--)m | SARAKI'S 1.618 BLOG

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画家/エッセイスト※かやおりさらきの日常



黒ぶち眼鏡の故・小渕元官房長官が…
額装された墨書 ――[平成]―― を、
粛々と読み上げたのが約30年前。

ニッポンは、いやニッポンジンは…
文字どおり[平べったく]“成っ” た。

『 テルマエ・ロマエ 』―― 阿部某のセリフ…
“ 平べったい顔族 ”がさらに平べったく、だ。

…けけけのけ。

プルプルと葉っぱの上を転がる…
弾けんばかりの水玉のように、
自信と覇気に満ちていたのは、もはや過去。

今やダラダラ、ナァナァの惰性国家。

ピリリとした表面張力を失い…
葉っぱを濡らすだけの “ただの水” と化し、
偏愛と空虚に満ちた、平成ニッポンジン。

ベクトルが負なら犯罪になりかねぬも…
正ベクトルで無茶をする “破天荒なヤツ” など、
ついぞ見かけまい?

平成ニッポンジンは、実におとなしい。

成熟し切った社会システムも平板化…
既存システムに身を委ねさえすれば、
その果実を淡々と享受でき。

何をガマンすることもなく…
日常生活なら飄々と営めるからか?

シャカイもヒトも地ならしされ、更地化し…
抜きん出る者、あるいは物が姿を消した。

あらゆる分野の人材がドングリの背比べ…
まっ平らこそ平成の美!?

運動会から1等とビリを無くし…
円周率から小数点以下をもぎ取った、
感性異様な平成ニッポンジン。

ハングリー精神やら…
ナニクソのど根性やら。

平べったい平成ニッポンジンにゃ…
もはや “?” の抽象概念とか?

だが、しかーし!

淡々と平べったく過ぎ行く平成の世にも…
過酷な環境にわが身を捧げ、
アツく骨太に生きるヤツらもいる。

あー…
ブラック企業の戦士たちではない。

そう、靴底クンたちである。

主の靴の裏こそ、彼らの仕事場…
主の体重と固い地面に挟まれる日常。

彼らの仕事場は実に過酷ではないか!

水溜まりがありゃ水責めに…
焼けたアスファルトの灼熱地獄、
砂利道なら石の角も突き刺さろう。

踏ん張る主の体重が、局所に偏る自然道。

小動物の亡骸、生きた虫…
“ミ” で始まるおぞましき地球虫にさえ、
その身を接さざるを得ないこともある。

嗚呼、靴底クンの過酷。

靴底クンは、無言で責務を果たす。

靴底クンは、たった3ヶ月で退職する…
ヤワな新卒社員とは腹の括り方が違うのだ。

靴底クンに見倣うべきは、忍耐力と使命感。

ネオン街でも歩きゃ…
主の目測違いのその1歩で、
酔っ払いの逆流残滓を踏むかもだし。

公衆トイレの個室に入りゃ…
所定容器外残留物を踏む可能性もある。

嗚呼、靴底クンの過酷。

置かれた場所でわが花咲かす…
平べったいけど、大した器。

靴底クンの過酷に思い馳せ…
せめて身を削ることがないように。

感謝を込めて、トントントン…
たまに裏打ちしてみたりする。

いつもグニャる最後のクギ…
靴底クンの過酷に輪をかけていないことを
祈りたい。

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