幸せとは? | かわしまさんの介護のすゝめ

かわしまさんの介護のすゝめ

福沢諭吉の里、大分県中津市より在宅介護について発信します。

川嶌整形外科病院の関連施設【在宅介護部門】のスタッフ全員で交代に更新しています。

みなさん、こんにちわ。

介護保険サービスセンター、ケアマネジャーのみっちゃんです。

10月の声を聞き、風も心地よくなりやっと秋の気配を感じるようになりました。

こんな時期に夫と二人暮らし78歳の利用者様が旅立ちました。

夫婦仲が大変良く、妻を思う夫の気持ちがお会いする度に伝わってきていました。

昨年の12月、歩行困難で整形外科病院へ救急搬送され、入院時の検査で乳がんが見つかり、総合病院に治療のため転院となりました。

その時には、ステージ4で、すでに肺、リンパ節、多発骨転移の状態でした。

総合病院で治療を行いその後自宅から近い病院に転院後、今年の2月の退院時から支援が始まりました。

入院中は歩行器でなんとか歩いていたので、ケアプランの目標は「トイレに歩いていくこと」と意欲的なものでした。

しかし、住環境を含め、トイレまでの歩くことは難しく、福祉用具等を準備しましたが目標を達成することはできませんでした。

支援開始後、血圧低下、呼吸苦等の体調の悪化で、入院することもありましたが、丑の日に「好物の鰻が食べたい」と夫に頼み、願いが叶えられたそうです。

お盆前に急変し、夫が訪問看護に連絡し、救急搬送され緩和ケア病棟に入院となりました。

残念ながら、その後ご自宅に帰ることはありませんでした。

訪問看護師とお悔やみに伺った時に、ご主人が本人の写真を見ながら、涙をこぼしつつ思い出話をしてくださり、私の胸に詰まるものがありました。

帰りの車中で「早く入院して治療を受けていれば…」という私に「入院しなかったら、ご主人と二人で過ごす時間が多く持てた。なにが幸せかわからんねー」という看護師の言葉にしみじみ共感しました。

支援期間は短かったけど、その人の人生の幸せについて考える関わりでした。

これからもまた、出会いがあり、別れもあるでしょうが、しっかり顔を見て、話を傾聴しその人との触れ合いを大切にしていこうと思いました。