今朝も霜柱が土を高く持ち上げています。
寒さのピークですね。
さて、Nさん情報です。
「スダジイの木にヤドリギではないんだけど何か着床植物が下がってる。
何だろう?」
そこは秋にコスモスが咲く花壇の裏側です。
さっそく行ってみると、すぐにわかりました。
下の写真中央がそれです。
確かにその部分だけ周りの葉の色とは異なり若々しい緑色です。
その若い葉をつけた枝が何本も下がっています。
ハンギングバスケットのようです。
よく見ると葉の色は周囲とは違いますが、葉の形はスダジイです。
おや、ここにもありました。
もじゃもじゃした緑のかたまりが、やはり垂れ下がっています。
大小はありますが、他にも何箇所か下がっています。
上のほうに目を移していくと、太めの枝が通常は上に向かうはずなのに、
真下に伸びていて、その先が細く枝分かれしてもじゃもじゃのかたまりになっている!
着床植物ではなくて、姿形が少々異なるものの、紛れもなくスダジイでした。
う〜ん、枝が上に伸びないで下に伸びる!
どうしてこんな不思議なことがおきてしまったのでしょう。
何か理由があるはずです。
周りを見渡すと、そのスダジイのすぐ隣にはすこぶる元気なシラカシがあります。
下の写真の一番手前がシラカシで、その向こうにあるのが問題のスダジイです。
よく見るとシラカシの枝がスダジイの方に真横に張り出していて
スダジイに覆いかぶさっています。
横にばかりではなくて、上にもシラカシが勢いよく伸びて
スダジイを凌駕しているのがわかります。
おまけにスダジイは、シラカシと接する側の枝がばっさりと剪定されています。
たぶんこういうことなのではないでしょうか。
スダジイは横と上からシラカシに囲い込まれてしまって、
光合成ができなくなってしまい、
窮余の策として
光が受けられる空間に急いで枝を伸ばした。
例えば「シダレザクラ」は「エドヒガン」の垂れ性を園芸種として完成させた
じつはどの木も下に伸びる遺伝的特性(DNA)をもっていて、
それが何かのきっかけで発現するのだそうです。
カツラも深大寺の境内に
シダレカツラという見事に枝垂れた樹形の大木がありましたっけ。
このスダジイにも元々シダレ性が備わっていて、
それが光が足りなくなったと判断して、シダレ性のDNAにスイッチが入り
光を求めて下に枝を伸ばした。
そういえば川辺のサクラが川の水面に向かって下に枝を伸ばすのも
光を求めてのことでした。
さて、木はどこで光合成を増やさなければいけないことを察知して
どこからその対処法を編み出す指令を出すのでしょうか?
まるで頭脳を持っているかのよう、不思議です。