さて、コブシのつぼみがふくらんできました。
植物観察会で以前も聞いたのですが、そのときはよく理解できなかった。
一昨日は府中郷土の森での観察会。
そういうことだったのですか、なるほど。
早速、我がフィールド祖師谷公園で確かめてみました。
つぼみをたくさんつけたコブシ。親水テラスの前、藤棚の横に1本あります。
このつぼみがどちらを向いているかです。
右を向いたり、左を向いたり、特に一斉にどちらということもないです。
ここで以前は終っていたのですが。

注意深く見ると、このあたりは左を向いているつぼみが多いですね。
この場所は右手が南、左手が北です。
なるほど北を向いているつぼみが多いです。

このつぼみが典型的に北を向いているつぼみなので、これをご覧にいれながら説明しましょう。
このつぼみは向かって右側の南から日が射します。するとつぼみの南側すなわち右側面が温められ、温められるとその部分の細胞の活動が活発になり、水を吸い上げやすくなります。すると温められた部分が水で膨張します。
一方、つぼみの北に面した側面は膨張せずにそのまま。ですから膨張した部分が膨張しない側にのしかかるようにカーブを描いて曲がる。どちらに曲がるかというとつぼみの先端が北に向くように曲がる。
というわけなのでした。

そう思って眺めると、確かに北を向いているつぼみが多い。道に迷ったときコブシのつぼみの向きで方角を知るという知恵も昔から言い伝えられているそうです。

ところで、ポイントは「細胞は温められると働きが活発になり、水をより吸い上げる」ということ。
気温が関係しているわけです。
ちなみに細胞の数はつぼみの細胞の数も、成長して花になったときの細胞の数も同じなのだそうです。
その細胞に水分が吸収されて膨らんでいくことが成長するということで、細胞の数自体は変わらないのだそうです。