リーキーガットの症状について | 症例と解説 | かわせカイロプラクティック

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症状に対する私なりの考え方や症例の解説などを書いています。

リーキーガットとは「腸から漏れる」という意味ですが、漏れて異物が体内(血管内)に取り込まれる事だけがリーキーガットの症状を引き起こしているのではありません。

例えば、吸収上皮細胞のダメージにより栄養素の吸収障害がおこり、栄養不足による症状を誘発します。そういう人があれこれいろんなサプリを飲んでも吸収されませんから効果は出にくいです。だから栄養療法ではまず最初に腸の問題にしっかり取り組む必要があります。

それから、体のどこか一部で炎症を発生させていると、それが飛び火して、体全体が慢性炎症体質に変わってゆきます。そして、その炎症の発生源となっている事が多いのは腸です。あとは副鼻腔や口蓋扁桃が多いです。

それから、善玉菌が作り出す酪酸が過剰な免疫反応を抑える働きがあるTreg細胞を増やします。ですから善玉菌が減少する事で免疫の暴走を抑えられなくなってしまいます。薬局で売っているミヤリサンというのは酪酸を作り出す酪酸菌の死菌であって酪酸そのものではないのですが、アイハーブには酪酸そのもののサプリメントもあります。

それから「脳腸相関」ってご存知でしょうか? 腸と脳が繋がっていて、腸に問題があるとそれが脳に直接影響するんです。ですから、粘膜バリアが破綻した状態だと、それが脳に直接影響して、不安や緊張やイライラを感じやすくなったり、様々な自律神経症状を誘発します。例えば発達障害も脳腸相関の関与があると言われています。

それから、上皮細胞のダメージによりヒスタミン不耐症を誘発する事が多いです。これはとても多いと思います。ヒスタミン不耐症では、ヒスタミンを多く含んだ食品を食べたときに、そのヒスタミンを分解する酵素の分泌が不足しているために様々なヒスタミン症状が出ます。

ではなぜリーキーガットの人がヒスタミン不耐症になっている事が多いかというと、食べ物に含まれているヒスタミンを分解するDAO(ジアミンオキシダーゼ)という酵素は、健全な腸粘膜から分泌されるからです。DAOの分泌量と腸粘膜の健康度は比例するんです。ヒスタミン不耐症にはDAOの他にもメチル化が関係していたり、遺伝的にDAOの分泌が悪い人などもいるので、腸粘膜を健全にするだけでは不十分な人もいますが、それでもリーキーガットを治す事はとても重要です。

 

 

 

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