市役所勤務の現役保育コンシェルジュ、ナナです。


さてさて。

今日は3月31 日。令和5年度は今日で終わりです。明日からは令和6年度となりますね。

新年度の始まりです。


この時期は子どもだけではなく、保護者の方も色々と考えることがありますね。

その1つが

「新しいクラスの担任、どの先生になるんだろう」という不安や期待感。

この担任問題は、もうずーっと、保育園から小中高、もしかしたら大学まで延々と続いていく問題です。


問題といっても、新聞に載ってしまうような「先生」「保育士」としてというより「1社会人」としてダメな人は大問題。それは論外。

新聞にまでは載らないけれど、校長や園長が「先生」「保育士」として「不適格」と認め、何らかの処分を下すようなケース。そういうのも、今回はちょっと置いといて。


上記のようなことを除くと、

あくまでも子ども、または保護者の気持ちとして、

「あの先生には担任になって欲しくない」

という感情は誰しも多かれ少なかれあると思います。


その気持ちが強すぎると、心身に差し障ることもあります。


「嫌な先生だったけど、4月からは担任が変わるからヤレヤレだわ」と思っていたのに、

「来年度もあの先生らしいよ」

とママ友から聞き、もう居ても立っても居られない気持ちになり、

「何とかして担任を変える方法はないものか」 

と考え始めるママさんもおられます。


先日も、そういったママさんが市役所に相談に来られました。

このママさんのお子さんは4月から3歳児になります。

ママさんは、よほどその保育士さんが来年度も持ち上がるのが嫌なご様子で、

「4月2日に担任発表があるのですが、それを見て、もし持ち上がりになるのなら退園して、地元の公立幼稚園に行かせようと思っています」

と言われました。

また同じ保育士さんが担任になるなら退園する、違う保育士さんが担任になるならこれからも保育園に通うと言われるのです。


自宅のすぐ近くに公立幼稚園があり、そこの3歳児の空きは確かにまだあります。その幼稚園の入園式は4月12日です。

ママさんにしたら、4月2日の担任発表後、すぐに退園届を提出して、急きょ幼稚園の入園手続きをすれば入園式に間に合うだろうという算段ですね。

「公立幼稚園でしたら預かり時間が短いです。お仕事に差し障りが出ませんか?」

と一応お尋ねしましたが、祖母さんのサポートがあるから大丈夫と言われました。


そうですか。

そこまでして、担任が持ち上がるのが嫌なんですね。


でもね、ママさん。

今、お話しくださったその計画ですが、それでは公立幼稚園に入園することは出来ません。


認可保育園の利用は月単位です。

4月1日の在園児が「4月」の在園児になります。

今回の場合ですと、このママさんは「4月2日」には保育園に行き、担任発表を見る訳です。

そこで「退園届」を提出したところで、退園日は「4月30日」の扱いになるのです。

つまり、4月は認可保育園に在園していることになります。

そうなると、公立幼稚園への入園は5月1日からになります。

認可保育園と公立幼稚園の二重在籍が出来ないからです。


イヤイヤでも4月いっぱいは保育園に行くか(このママさんは絶対に嫌でしょうね)、

4月はお家でみて、5月から公立幼稚園に入るしかありません。

そうなると、公立幼稚園の入園式にはもちろん参加できませんし、他の園児からは1ヶ月遅れの入園になります。


以上のことをママさんにご理解いただく必要がありました。


ママさん、「うーん!」と唸られました。

伺うと、その保育士さんだけがどうしても嫌なんだそうです。0歳児、1歳児の担任の先生にはとても良くしていただいた、園長先生のことも子どもは慕っている等々、お話ししてくださいました。


それなら、と。

「園長先生にだけ、3月中に一度、その正直なお気持ちを話してみられたらいかがですか?」とお伝えしてみました。

その園の園長先生は穏やかな雰囲気の方です。

このママさんのお気持ちはしっかりと受け止めて下さり、そのうえで対処はしていただける方だと思うのです。

「でも、もう担任が決まっていたら、それを変えることは出来ないですよね?」とママさん。


ま、それはそう、かな。


「じゃあ、もしその保育士さんが担任なら保育園を辞めて公立幼稚園に行くことをもう決めている、誰にも言わないから4月からの担任が誰なのか教えてもらないか、園長先生に交渉されたらどうでしょう。幼稚園に行くなら行くで準備もあるので、とかお話して」

という、かなりの強行突破案を提案してみました。

私の中では、あの園長ならきちんと冷静な対応をしていただけるという思いもありました。


ママさんは、「うーん、どうしようか」とかなり困惑されていました。

またまた国立西洋美術館のロダンの「考える人」に登場いただきましょう。


あれから数日経ちましたが、今はまだ、このママさんからの保育園退園→公立幼稚園入園の申請はありません。

園長先生には相談されたのでしょうか。どういった決心をされたのか気になっています。



はい。今日はここまでです。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。