(メディア掲載)業界最大誌「整備戦略」掲載<ミャンマー進出の日系企業について> | アセアン自動車流通大陸@川崎大輔

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(メディア掲載)業界最大誌「整備戦略」(日刊自動車新聞社発行)でアセアンアフターマーケットについて掲載されました。

 

今回の【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット】はミャンマーのロードサービスについてです。<日系ロードサービス企業、交通安全でミャンマーを変える>ということで書かせていただきました。

 

 

【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット】

 

ミャンマー初のロードサービスの専門会社は、日系のSAT JAPAN ROAD SERVICE CO.,LTD(以下、SAT)だ。代表の山口弘隆氏にミャンマーについて話を聞いた。

 

 

 

◆ ミャンマーの交通安全とロードサービス事情

 

2016年におけるミャンマーでの事故発生件数で道路の不具合が原因だったのは全体の4%だった。実際、事故の理由として多かったのは、不注意、スピード超過含む違反、車両不良、飲酒運転、過積載が80%を占めていた。ミャンマーにおける交通安全の意識は低かった。ミャンマーでは、道が悪いと言っているだけで交通事故の撲滅の行動を何もおこしていない状況にあった。ミャンマーでは現在交通事故数(死亡)は年間約5000名。日本と比べて100倍以上の危険率(事故率)だ。地方などで公表されていないのも入れるともっと高い。

 

そんなミャンマーでSATは、2016年11月に第1回交通安全運動キャンペーンを開催。目的は、乗用車やオートバイ運転者が増加したミャンマーに、交通ルール遵守を浸透させるためだ。在ミャンマー日本国大使館、JICAミャンマー事務所、ミャンマーの陸路運輸管理局、地元の交通警察、小中学校、ミャンマーの日系企業の協力を得ている。

 

キャンペーン実施横断幕を掲載、交通完全運動の模様を新聞各社やメディアで取材・報道、ホームページやフェイスブックなど)による告知も行う。1回目のキャンペーン実施中は、一般車両助手席、後部座席乗車人は、シートベルトの正しい装着方法を理解していない市民が散見され、実施中に停車させ正しい装着方法を教えることが出来た。その後、継続的にキャンペーンを行い、交通安全をミャンマー国内に浸透、ロードサービスの必要性も広めている。

 

「ロードサービスを専門で行う会社は4年前までSATのみでした。車が壊れたら友人や整備工場の人がそこまできて道端で直してくれる。1960年代の東京オリンピックの時のような感覚でした」(山口氏)。しかし「最近は専門のプレーヤーが少しずつ出てきて、2016年から2017年でロードサービスの依頼は2倍に急拡大しました」と指摘する。ミャンマーにも安全運転、そしてロードサービスが徐々に広まってきた。

 

 

 

◆ ミャンマー初のロードサービス専門会社、SAT

 

ミャンマー人は「高い品質のサービスをまだ受けたことがないため、サービスをどのようにやれば良いかわからないのです」(山口氏)。更に「ミャンマー人は知らないことをやりません。しかし周りがやると一気に広がります。だから我々が最初に汗を流して率先してやっていかないといけません」と指摘する。

 

SATのスタッフは現在22名。3台の車を使ってロードサービスを提供している。会員数は現在4000人を超え、依頼は1日で8台ほど。3分の1が交通事故、残りがエンジン・バッテリートラブルやパンクによる不始動車両だ。山口氏は「ここ最近(2017年10年くらいから)で、ロードサービスに対する考え方(交通安全の意識やサービスの品質)が一気に変わってきています」と指摘する。

 

SATはロードサービスにも日本式のクオリティ・サービスを提供。しっかりと時間を守り、現場ではお客様の車を大事に扱う。日本では当たり前のことを、ミャンマー風にアレンジしながら高品質のサービスを心がけている。

 

 

 

◆ 大転換期、ミャンマー自動車市場

 

山口氏はミャンマーで仕事をしているとホッとすると言う。「古き良き日本がまだここにあります。田舎に帰ったような感覚です。勝手に家に入ってくるし、暖かさも感じます。大人でも子供のような純粋さがあります」(山口氏)。知人の勧めでミャンマーを初めて訪問したと言う山口氏。30年以上日本で車ビジネスをやってきた山口氏が、日本とミャンマーの架け橋として何が役に立てるのかを考えた結果、それがロードサービスだったと語る。

 

ミャンマー陸運局によると2017年の時点で70万台の自動車が登録されている。アセアン主要国における1,000人あたり自動車保有台数は、ミャンマーは約15台だ。マレーシアで400台、タイで250台、インドネシアで80台ほどであることから、ミャンマーの伸び代はまだ大きくポテンシャルがある。

 

ついに2018年、ミャンマー政府によって右ハンドルの自動車輸入の規制がはいった。これによって日本からの中古車に多い右ハンドル車の輸入が原則禁止。ミャンマーはこれから中古車から新車へのシフトが進むことになり市場は一気に変化するだろう。

 

中古車から新車のシフトに伴い、ロードサービス業界にも変化が生まれた。新車が売れ始めて、最初からロードサービスを含んだ新車販売を行う新車ディーラーが出てきた。「ヤンゴンでは1部のスズキディーラーやトヨタディーラーもオプションとしての販売を始めてくれるようになりました。現在、ヤンゴンで販売される新車の約40%は当社サービス付帯となっています。」(山口氏)。お客様の要望に応じて、オプションとして附帯できるロードサービスも求められ、ロードサービス市場の広がりがでてきている。

 

日系の企業がミャンマーの交通安全の意識を変え、ロードサービスを市場に浸透する。ミャンマー自動車市場は今まさに大転換期だ。変化がある市場には常に機会が生じている。日系企業にとって新たな市場を作り出すチャンスが到来した。

 

 

 

 

<川崎大輔 プロフィール>

大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。