【川崎大輔のアセアン自動車ニュース】プノンペンの車両登録台数、220万台 | アセアン自動車流通大陸@川崎大輔

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カンボジアの首都プノンペンの公共事業・運輸局によると、7月時点の車両登録台数は自動車が48万台、バイクが170万台、三輪バイクが1万1,000台だった。車両台数は合計で約220万台となり、前年の180万台から増加した。

 

 

 

https://www.nna.jp/news/show/1787888

 

カンボジア自動車市場は転換期にきている。カンボジアの首都プノンペンを車で走るとわかるが、バイクに乗った若者がたくさんいて活気がある。ビルも建設ラッシュで非常に勢いを感じる。以前、私がカンボジアを訪問した時には、トヨタの中古のランクルやレクサスしか走っていなかった。しかし、2018年に訪問したプノンペンは、自動車の台数が急増し、新しい車も街中でよく見かけた。最近は新車の販売が伸びてきており、2017年の新車の販売も昨年と比較し大きく伸びた。一般的に1人あたりGDPが3000ドルを超えると、その国での自動車普及期のモータリゼーションが始まると言われている。カンボジアの1人あたりGDPは1230ドル(2016)だ。しかしプノンペンに限ってみると4000ドルを超えていると言われており、モータリゼーション期に突入している。

 

 

2015年時点でのカンボジアの新車販売に含まれるピックアップ車の比率は約40%と高い。今後は、都市プノンペンではSUVが、そして地方ではピックアップの需要が高くなっていくのではないだろうか。また、カンボジアでは仕事で利用するより、個人としての利用頻度が高い。平日は会社、週末は家族で出かける。さらに自動車を購入できる層が限られているため、燃費よりもエアバックの数、安全装備系などの自動車の安全性に関心が強い。

 

 

自由な中古車輸入、実行されない車検制度、技術のないメカニック。さらに未整備の道路インフラと乏しい交通ルール、公共交通機関の不足による市内の渋滞。多くの課題を抱えているカンボジアであるが、地方を含む市場の伸びは期待されている。中間所得層の増加に伴い、新古車の販売は昨年比約10%増加している。カンボジアの自動車需要は徐々に新車需要へと変化していくだろう。

 

 

<川崎大輔 プロフィール>

 

大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLC にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア研究センター外部研究員。