川田 龍平 オフィシャルブログ

3月27日(火)、労働者派遣法の修正案及び原案に反対する立場からの討論に立ちました。

以下、議事録を掲載致します。

※未定稿文ですので一部変更の可能性がございます。


○川田龍平君  みんなの党の川田龍平です。
 私は、労働者派遣法の修正案及び原案に反対する立場からの討論をいたします。
 今回の派遣法のいきさつについて、余りに急なことに大変驚いています。国会の討議で決めずに三党協議で突然、改正法案の根幹にある部分のほとんどが削られた修正案が出されたのです。当事者たちの今後にとって大切な法律だけに、怒りが大きいのは傍聴者の人数を見てもお分かりでしょう。私の元にもこれだけの数の陳情やファクスによるメッセージが届き、皆様、徹底した審議を求めております。
 労働組合と何のしがらみもないみんなの党ならではで、水野賢一議員が民主主義への冒涜だということで抗議を行い、大政党から時間が大幅に分けられるという前代未聞のことになり、こうして野党や小会派である程度の時間を取って、特に一人会派しかいない委員、会派が異例の四十分という時間、派遣法について質問ができたのです。数の論理で押してきた衆議院に対して、良識の府として審議を尽くす参議院の存在価値を少しでも示せたことは微力ながら参議院議員の一人として努力させていただいた成果であり、質疑時間を与えていただけたことに感謝申し上げます。
 派遣法についての私の考えは既に質疑において述べさせていただいたとおりです。すなわち、派遣業界は二十一世紀にふさわしい社会保障と人材育成を担う輝かしい産業として発展していってほしいということ、その健全な発展を政府が後押しする、そのことで労働者も安心して働けて可能性を引き出せる、そういうものとして政府は監督してほしいということです。
 官僚が法律を作ることで業界をコントロールし、内部情報と交換に報酬を得る天下りのための業界団体の増殖させることはもうやめ、業界と癒着せず、独立してきちんと法令遵守させることに専念し、存在意義を示していただきたい。労働基準監督署は、警察権力と同じくらいの監督権がある役所のはずです。国際的にもすばらしい労働基準法一つをきちんと守れるような仕事をしていただき、一人一人の国民が税金を支払ったかいがあると実感できるようになる、そのことによって日本という国に誇りを持ち、労働者一人一人が働くことができるのです。
 合成の誤謬という言葉の言い方があります。経済学の言葉ですが、それぞれの自分の場所でベストを尽くすのですが、全体としては不幸な状況に陥ってしまうことを言います。自民党は財界、業界の利益を守ろうとベストを尽くす。しかし、そうして行った規制緩和は業界を腐敗させました。この派遣法の成立し、派遣法を認める労働組合と反対する労働組合に割かれてどちらとも立場を取れなかった旧社会党。結局、大企業の組合は常に派遣を安く使うことで会社の利益が上がっていった。それを代表したことで、労働組合は既にそこで腐敗してしまいました。
 政権交代に託した国民の思いを受け、派遣法改正をマニフェストとした民主党。しかし、何のためにどういう社会をつくりたいかという本質的なところがないために、大幅な修正をしてしまった。お互いそれなりの立場でベストを尽くしたのかもしれませんが、結果としてどちらにとってもいい法律ではないものができ上がってしまった。まさに合成の誤謬です。
 みんなの党は反対で、一旦はお蔵入りしたものの、それでも選挙向きに成果を上げようと党利により急遽現れ、無理やり押し通そうとする今回の暴挙を誠に嘆かわしく思います。
 みんなの党は、労働者側、業界側、どちらにもしがらみがない、どちらの立場にも立ちませんが、もちろん財界、労働組合、どちらも日本の社会にとって必要な機関です。政治の役割は、お互いの支持団体の利益の主張だけではなく、合成の誤謬に陥らず、国家が健全な方向に行くように、長期的な展望に立ち良識的な議論をすることではないでしょうか。
 今こそ広い視野に立って、建設的な議論の中で命が最優先される社会の実現のため、国会における審議に真摯に取り組むことをお誓いし、私の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。