この本はありそうであまりない、生きていくのに辛かった時期に焦点を当てた本。本を探していても順調に行った成功例について書かれた本は多くあっても、生きて行くのが大変だった時のことが書かれている事は割と少ないような気がして。さらに、日本人宇宙飛行士ほどの人の悩みとはどんなものだろうかと思いチョイス。


内容はかなり私にとって勇気を貰えるものだった。


特に注目した部分が自分のアイデンティティの喪失についてだった。私は学生時代にラグビーを通して結果を残してきた。おかげさまで社会人になりプロとして道も選択肢として選ぶ事ができた。しかし私は、ラグビー選手としての限界を感じていたし、このままラグビーを続けてもラグビーを引退した後自分には何も残らないのではないかと思い、引退を決意した。




まさに世界の中心、自分の中心をラグビーに置いていたため、ラグビーを引退した後は新社会人という新たなワールドに入るにあたり価値観の変化もあいまみれて本当に自分という存在が何なのかわからなくなった。


自分を見失ったし、挫折もしたし、何を自分の価値観の基準としていいかわからなかった。そこで、心は凍りついてしまい、社会的活動もままならなくなった。今も尾を引いているところがあるが、ちょっとずつだけど、前を向いて立て直していっている。まだまだ道半ばだけれど、本に書いてあった会社などの肩書に縛られずに、、「あなたがどういう人なのか、教えてください」は私にとって命題になるのかもしれない。


私の悩んでいた心を整理してくれ、曇っていた心の空を晴らしてくれた本の一つ。