出走馬レベルが高かった有馬記念 | カッツミーの競馬道

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 来週の日曜日は1年の大一番、有馬記念が行われる。

 

 今年の有馬記念は、ファン投票上位トップ10のうち8頭が出走し、近年でも屈指の好メンバーのレースとなるだろう。

 

 有馬記念のメンバーレベルの高低は出走予定馬によるものと、故障を含め順調差を欠いた馬が多い年かによることだろうが、私がいつもモヤモヤするのは、好レースを見たいがために、出走登録馬が確定した後回避馬がでなければいいなあと枠順が決まるまでドキドキすることである。

 

 今JRAG1は年間27レース(障害を含め)あるが、私が競馬を始めた1988年は15レースだった。その間秋華賞のような新設G1や、高松宮記念やスプリンターズSのように既存のレースがG1に昇格したものもあり、G1レースが増えた。

 そのためG1ホースの数やタイトル数も以前よりは増えているため、有馬記念出走馬のG1ホースの数は増えているのではと思うが、意外とそれほどでもない。

 

 なぜそうなのかというと、理由はこの三つだろう。

 

 一つ目はローテーションの多様化である。

 

 秋の古馬G1戦線は昔も今も天皇賞(秋)→JC→有馬記念だが、近年は12月の香港に出走する馬が増えているため、そうなると有馬記念まで中一週となりあり有馬記念を回避することになる。個人的には香港より有馬記念に出てほしいのだが、これも時代の流れで致し方ないか。

 

 二つ目はマイラーの参戦がなくなったことである。

 

 以前は名マイラーのダイタクヘリオスやダイワメジャーが距離が長い有馬記念にも出走したものだが、今は香港マイルに向かうのがトレンドになり、参戦が激減した。有馬記念は過去の歴史から意外とマイラーでも距離を克服できるレースでもあるのだが、距離適性重視のためかそういった挑戦は最近は避けられる傾向にある。残念である。

 

 三つ目は出走回数の減少にある。

 

 昔は1989年のオグリキャップのように(オグリは極端だが)、レース数をこなすことが主流だった。今はG1レースが増えたこともあるのか、G1ホースがG1レースしか出ないことが当たり前になっている。使うほうも秋G13戦をベストコンディションで迎えるのは厳しいと判断するのか、秋3戦のうちどれか抜くことが増えている。また調教の進化もあり、いわゆる一叩きをしなくても、十分勝負になるのよう仕上げられることもあるのだろう。仕方ないか。

 

 

 それで有馬記念でG1ホースの出走が一番多かった年はいつだったか調べてみた。

 

 最高は16頭中11頭がG1ホースだった、2019年の有馬記念である。

 

 出走馬は

  牝馬3冠などG16勝アーモンドアイ、宝塚記念などG13勝リスグラシュー、この年の皐月賞馬サートゥルナーリア、菊花賞馬ワールドプレミア、前走JCを勝ったスワーヴリチャード、春の天皇賞馬フィエールマン、一昨年の菊花賞馬キセキ、ダービー、天皇賞(秋)を勝ったレイデオロ、皐月賞などG12勝のアルアイン、一昨年のNHKマイルを勝ったアエロリット、前年のJCの覇者シュヴァルグランである。

 

 レースは2番人気のリスグラシューが直線力強く抜け出して、2着サートゥルナーリアに5馬身差をつけて圧勝し、有終の美を飾った。

 

 次に多いのがドリームジャーニーが勝った2009年とジェンティルドンナが勝った2014年の10頭である。

 

 今年も現地点ではドウデュースなど10頭のG1ホースが出走することになっている。JCで2着を分け合ったシンエンペラーとドゥレッツァやソールオリエンスの回避は残念だが、それでも例年以上にファン投票上位馬が出走するので、これぞ有馬記念というレースを堪能できそうだ。今から楽しみである