2005-05-29 01:00:53

想定内と想定外

テーマ:
【センセイの鞄】  

●著者 :川上 弘美
●出版社:文藝春秋(2004.9.03発行)
●価格 :¥560


ご存知、恋愛小説の名手によるベストセラー。
文庫になっていたので手に取ってみたが、
売れてからもうかなり経っていたし、
小泉今日子と柄本明でドラマ化も
されていたりで(未見)、読む前から
すでに大まかなイメージはあった。

37歳の独身女性、ツキコさんと、
高校時代の国語教師である70代の
センセイとの、年の離れたはなかい恋。
あーいかにも女性が好きそうな話だなあと
思いながらページをめくっていくと、
やはり予想通りの展開と空気。
行きつけの居酒屋を舞台に、
つかず離れずの微妙な関係を続けるふたり。
センセイに引かれつつも素直になれない
ツキコさん。そんな彼女の気持ちを知ってか
知らずか、憎まれ口をたたくセンセイ。
少しずつ、少しずつ縮まるふたりの距離。

途中から、ドラマを見ていないにも関わらず、
ツキコさんに小泉今日子を重ねていた。
このキャスティングは絶妙だと思う。
柄本明は、設定からすると
いささか若すぎるように思うが。

ふたりの間に流れる、ほんわかとした空気を
楽しみながらも、やっぱりこういう話だった
んだなあと読み終わろうとしたところに、
その想定外の事は起こった。
目頭がアツくなったかと思うと、あやうく
涙がこぼれ落ちそうに……え? 何だ?
最後の数ページを何度も読み返してみる。
いかん、やはり込み上げるものを抑えられない。

そう、軽く、フフンと読みながらも、
いつのまにか僕はしっかりと、ツキコさんと
センセイの魅力にやられ感情移入していたのだ。
それ故、最後の最後、ふたりに流れる空気
の突然の転調に動揺し、心かき乱されたのだ。

ありきたりだけど、
人を好きになるって、やっぱりいいなと思う。
そして、少し哀しいとも思う。
今度、ドラマを見てみよう。
もう一度、ふたりに会うために。


■個人的ハマリ度  ★★★★(★5つが最高)


著者: 川上 弘美

タイトル: センセイの鞄

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2005-05-26 10:44:10

頭の中をハマショーがグルグル

テーマ:
【渋谷ではたらく社長の告白】  

●著者 :藤田 晋
●出版社:アメーバブックス(2005.3.31発行)
●価格 :¥1,680


記念すべき一冊目は、このアメーバブログの
開設元でもある、サイバーエージェント、
藤田晋社長の最新作。

藤田社長が、会社設立に至る経緯~現在までの
激動の道のりをつづった告白本である。
話題になっていたので読んでみたが、
いやーこれがアツい!アツすぎる!
仕事への尽きることのない情熱、ネットバブル
の崩壊、業績低下への激しい非難、仲間との
身を切られるような決別、そして、
生涯の伴侶との運命的な出会い…。

まだ30代前半の社長だが、人の何倍にも
値する凝縮された人生を歩んでいるのに
驚かされる。
そしてそのエネルギーを生み出しているのが、
「21世紀を代表する会社を作る」という夢。
一見青くさく感じる言葉だが、その壮大な
思いがあればこそ、多々の苦しみにも耐え、
また喜びにも我を忘れず、前進できたのだろう。

そして、この本を読んでいた僕の頭の中に
鳴っていたのが、
浜田省吾の「悲しみは雪のように」。
90年代前半のドラマ「愛という名のもとに」の
主題歌として大ヒットした名曲で、30代以上
の人ならご存知の方も多いのではないだろうか。
いまや巨匠の野島伸二が脚本を担当したドラマは、
大学のボート部の仲間たちが社会に出て
夢と現実のギャップにもがき苦しみながらも、
愛と友情を取り戻していくという内容で、
当時僕は熱中して毎週ビデオに録って
何度も見ていた。特にチョロというキャラが
自殺してしまうシーンはショックを受け、
今でもその時感じた寂しさは
胸に残っているほどだ。
唐沢寿明や鈴木保奈美、江口洋介など、
思えばキャストもすごく贅沢だった。

本書を読んでいて、このアツくて、ちょっと
切ない空気が何かに似ていると思って、
すぐに浮かんだのがこのドラマ、
そしてバックに流れるハマショーの曲だった。
そう、この本は僕にとっては、
ビジネス書なんかではなく、
光と影に彩られた青春群像ドラマなのだ!

社長が奥菜恵と結婚すると知って、
彼女のファンだった社員が「会社を辞める!」
と言ったというエピソードは笑えるが、名作
「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」
の彼女に心奪われた僕にとっては、
その気持ちがわからなくもない。(笑)

何かの岐路に立っている人、
人生の選択を迫られている人はもちろん、
夢に向かって歩んでいる全ての人に
おすすめである。


■個人的ハマリ度  ★★★★★(★5つが最高)


著者: 藤田 晋

タイトル: 渋谷ではたらく社長の告白

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