日本が海外に持つ最大の自主開発油田であるアブダビ海上に位置する下部ザクム油田の権益を、国際石油開発帝石(株)が向こう40年間、10%の割合で獲得することに成功しました。

生産経費が非常に低く、政情が安定しているアラブ首長国連邦(UAE)の盟主であるアブダビ首長国の海上油田利権の獲得競争には、米国系石油メジャーだけでなく、中国、韓国、インドなどの新興国も参加。攻勢を強めていました。46年間にわたり維持してきた日本の油田権益がもし万が一奪われることになれば、わが国のエネルギー安全保障に重大な毀損を及ぼすところでした。

私は昨年四月と十一月にアブダビを訪問。二回とも、実質的に国政を統理するムハンマド皇太子殿下(MbZ)と長時間会談を行い、海上油田権益更新について協力を求める安倍晋三内閣総理大臣(自民党総裁)の考えを皇太子殿下に直接お伝えしてきました。
厳しい国際競争の中で、日本企業が単独では最大の割合を獲得したことで、「安倍首脳外交」にまたひとつ大きな成果が加わりました。