ちょっといい話の回覧板 | 浪花のコーチング税理士☆食べ歩き編

ちょっといい話の回覧板

【若い時の苦は楽の種】

致知出版社「人間力メルマガ」より


北陸地方などには、かつて瞽女(ごぜ)と呼ばれる盲目の女性旅芸人たちがいまし
た。小集団で諸国を巡り、三味線を弾き、唄を唄うことを生業としていました。

ここで紹介する小林ハルさんもそのお一人です。小林さんが瞽女として培った人生観
は私たちの生き方に示唆を与えてくれています。

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(小林)
瞽女(ごぜ)は目が見えないので、必ず「手引き」という目の見える人と組んで旅に
出かけます。
いつも気の合う人と歩ければいいのですが、そういったことは滅多になく、あの人と
歩いたり、この人と歩いたりと、いろいろな人と組まなければなりません。だから瞽
女の組み合わせは一つの修行といってもよいかもしれません。私はいい人と歩けば祭
りだし、悪い人と一緒だと修行だと思っていつも歩いてきました。

73歳の時、私は老人ホームに入りました。このホームに入っている人たちはほとん
どが目の見える人たちで、同室になった四人のうち、一人だけ意地悪な人がいまし
た。その人は私よりも2つか3つ年下で、連れ合いを亡くし、子どもたちがみんな独
立して自分一人になったのでホームに入ったようです。

入った時からその人は私にいろいろな意地悪なことを言いました。「目が見えなく
たって、ごはんが食べたいんだか」とか、誕生会で唄を唄うと「瞽女だと思っていい
気になっている。目の見えないざましていっちょうまえ(一人前)の気になってい
る」と事あるごとに意地悪なことを言うのです。

家のやっかいになるまいと思ってここに来ましたが、ここもまた切ないところだなと
思いました。しかし、年を取ってどこも行くあてがなくてここに来たのですから、
諦めるより仕方がありませんでした。

どこへ行っても、いくつになっても、いろいろな苦労があるものです。しかし、神仏
はすべてお見通しです。人に言いたいこと、したいことを何も考えないでしている
と、必ず天罰があたる。私は決して無理なことを言ったり、したりしないですべて神
仏にお任せしてきました。言いたいことはいっぱいありましたが、それを口から外に
出してしまえば必ずバチがあたります。

ホームでこうやって世話をしてもらうだけでもありがたい。いくらなんでもこの年に
なって外や雨のあたるようなところにはいられないのですから、ここへ来たらそれが
務めだと思って、そういう人に対してはなおさら気がねして努めてきました。

考えてみれば、ホームの組み合わせは瞽女と同じようなものです。
ホームも組み合わせで良い人と組めば祭りだし、悪い人と組めば修行です。それでも
瞽女は短くて1か月、長旅でも半年もすれば組み合わせが変わります。ホームは一度
組むと2年も3年も一緒ですから辛いところもありますが、幸い私は3年目からいい
人と同じ部屋になり、もう姉妹のようにお付き合いさせていただきました。

私は目が見えないので、どんな目に遭っても、どんなことがあっても人には背くまい
と思って生きてきました。そうやって努めてきたからこそ、いまはこんなに幸せで気
ままに生きさせてもらっているのだと思っています。若い時の苦は楽の種という言葉
がありますが百歳になったいま、そのことをしみじみと実感しています。

 


■朝早く送られてくる、友人のにしやんからのちょっといい話を回覧板にしてしまいました。次の人に回覧してあげてくださいね。

 

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