サナと青龍が険しい顔で黙り込んでいると、朱雀も姿を現した。

やはり、同じように獄狼竜の気配に気付く。

「陛下っ! これは?」

「おそらくは、ここに『門番』がいたのかもしれません。」

「なっ!?」

「奴の今回の目的はいったい?」

青龍の問いかけに、サナはため息をついた。

「わかりません。」

「陛下? もし今回の戦いが門番の仕組んだことだとしたら…」

「はい?」

「他の四皇も、何かしら仕組んでくる可能性がある、ってこと?」

朱雀の言葉に、サナは困った顔をして首を振った。

「わかりません。 今はまだ、私にも何も掴めていないのです。」

「とりあえず天晶宮へ戻りましょう。」

「そうですね…」

青龍に促され、サナと朱雀は頷いた。

やがて、3人の姿はフッと消えた。



『ジンルイニモ、スコシハツカエルヤツガイルミタイダナ』

『ドウスル?』

『コノママデハ、ケイカクノジャマダ…』

暗闇で密かに交わされる会話…

そこへ、別の声が割り込んだ。


『ミカドハ、ヨケイナテダシハスルナトオオセダ…』

声に宿る圧倒的な力に、他の声の主たちは黙り込んだ。

果たしてこの声の主たちは何者なのか…

『ミカド』とは何者なのか…



それは、神のみぞ知る…