「作戦会議に入る前に、それぞれの武器を教えてくれ。」

青龍の言葉に、ユイナが最初に答えた。

「私は七星連刃・揺光です。」

「アタシは覚醒の超硬質ブレードだよ。」

「妾は麻針剣チャナパルスじゃ。」

「お前ら…」

それぞれの武器を聞いた青龍は目を丸くした。

「やる気満々じゃない。」

朱雀も思わず吹き出した。

三人は青龍と朱雀の反応にドヤ顔である。

「それじゃあ… 玄武が麻痺でジンオウガを足止め、ユイナが毒で体力を削る…」

「アタシが麻痺ってるジンオウガを確実に仕留めるよ。」

「よし! これなら何とかなりそうだな。」

「とりあえず、常に閃光は当てときましょう。 少しでも動きを封じることが鍵になります。」

「そうだな。 じゃあ、行くとするか…」

「はい。」

5人はそれぞれ右手を差し出して円陣をくむ。

「この戦い、何としても勝つぞ!」

「「「「おうっ!」」」」

5人はエリア5に向かって走り出した。



5人がエリア5に入ると、すでに4頭のジンオウガがいた。

すぐに5人は別れ、それぞれにジンオウガと戦い始める。

青龍、朱雀、ユイナは1頭ずつ、炎華と玄武がコンビで1頭を狙う。

玄武が麻痺させたジンオウガに炎華が攻撃し、ダメージを稼いでいく。

ユイナは毒でジンオウガの体力を少しずつ削っていく作戦だ。

青龍と朱雀は属性双剣なので、とにかく切りまくるしかない。


手練れの剣士達が同じエリアで戦っているさまは壮観だった。

最初の4頭は難なく討伐した。

紅蓮海賊団が次のジンオウガたちを追い込んでくるまで、それぞれ回復したり、砥石を使ったりしていた。

やがて、7頭のジンオウガが3方向から追い込まれてくる。

「ここから閃光を使うぞ!」

「「「了解!」」」

今度は頭数が多い為、玄武は一度麻痺させると、すぐに他のジンオウガへ向かった。

閃光と麻痺で、少しでも長く動きを封じる為である。

別の場所では青龍や朱雀、ユイナがジンオウガの後ろ脚を狙って、ひらりひらりと舞うように乱舞していた。



そうして、永遠に続くかと思われた壮絶な戦いも、唐突に終わりを告げた。

さすがの青龍も肩で息をつくくらい、体力を消耗していた。

見れば、他のみんなも肩で息をしている。

閃光はとうに底を尽き、残された回復系の薬も少なくなっていた。