イケガクの新作マンドリンであるbasicO-バジコを買ってみた | ウクレレとマンドリンと三線の講師による楽器初心者の為のブログ

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初めまして、東京都内で音楽講師をしている克樹です。
ギターに始まり三線やウクレレやマンドリンや二胡や三味線など弦楽器を一通り教えています。僕が実際に使用したりしている機材の話しや弾き方についてのお話しを書いています。

毎日がチャレンジの克樹です。YouTubeをご覧下さっている方はご存知かも知れませんが夢弦流三線店というブランドを立ち上げオリジナル三線とマンドリンの販売を始めました。
三線とマンドリンに関わるクリエイターが最高の仕事に打ち込める環境を作り届けるというテーマを掲げて走り出しました!夢は世界一の三線屋とマンドリン屋になる事です!その為毎日新商品の開発に追われてますが、改めてその道のプロって凄いよなーと驚かされる毎日です。
 
新商品と言えばつい先日マンドリンの老舗であるイケガクさんから待望のオリジナル商品が発表されました!それがこちら!
basicO-バジコ
 
Twitterでは大いに盛り上がり早速僕も買ってきました!製品の特徴としては初心者向け高コスパのマンドリンとなります、しかしながらこれは忖度抜きに言うと老舗の看板が揺らいでしまう可能性も否めないと思います
仕上がりはラフでもいいから世界一弾きやすいマンドリンが欲しいという方におすすめです!
 
逆にこうゆう人は買わない方がいいです
・仕上がりや見た目を気にする人
・セカンドマンドリンとして検討してる人
・ラウンドらしいサウンドを期待してる人
・テクニカルな曲を弾きたい人
 
動画でパパッと見たい方はこちら

・サウンドについて
ハイミッドにピークがある素直なサウンドです
ローは若干弱いですがフラットマンドリン形状のお陰で過不足なく自然に聞こえます。品質のバラ付きがありそうなので結構個体によって変わるかも知れません。推測ですがフラットマンドリン用の弦を張れば簡単にフラマン化出来ると思います
・弾きやすさについて
工場での検品もさる事ながらクラフトマン顔負けの精鋭スタッフによる調整のお陰でウクレレと錯覚する位弾きやすいです。弦高も限界まで下げてあるので老若男女問わずまさに万人に受ける弾きやすさに仕上がっています
・チューニングについて
値段相応の精度かなと思いました。メーカー品では無く中国産のウクレレにも使われるような激安品を流用しているせいかキープ力やペグの回転の引っかかりなど多少慣れてる人からすると気になると思います。またペグポストがヘッドにしっかりハマって無いものが多くペグを回すと動くのでチューニングが安定しない原因となっています。
・音程感について
パッと見の違いは分かりにくいですがフレットが結構太めの物を採用しています。普通クラシックマンドリンでは1mm、フラットでも1.5mm程度なので恐らくウクレレや細めのギター用のフレットを採用しています。フレットの特徴として太いほどラフに押さえても鳴ってくれるので弾きやすい反面音程感が甘くなります。これはフレットの面積分押さえるポイントがズレる為まさにトレードオフの関係と言えるでしょう。
・ナットとブリッジについて
ナットは一見すると特に問題無いように思えますが溝の太さがバラバラなので弦を弾いた際に弦が左右にブレる可能性があります。チューニングに直結する部分なので不安定な原因はここにもありそう。またブリッジは真っ直ぐなバータイプを採用しており、コードで鳴らした際の音程感が少し悪いのはここにも原因があるっぽい。
ただし音が綺麗過ぎると和音で鳴らした時に音が重なっても薄っぺらく聞こえるので、どうゆう使い方をしたいかが決め手になると思います
・フレットについて
16フレットまでしかないのでテクニカルな曲や音域の広い曲は弾けません。とは言え初心者の方が取り組む曲を想定すれば全く問題ないように思えます。最終のフレットまで問題無く音が出るので演奏にまつわる部分に徹底した検品を施しているのが伝わります。しかしフレットの溝のバラツキが見られたり打ち込みの甘さも見受けられますので冒頭に申し上げた通りセカンドマンドリンとしてのクオリティを期待してる人はおすすめ出来ません。
・外装の仕上がりについて
バジコ購入の決め手は恐らく外装の仕上がりを許容出来るかで決まると思います。やはり価格を2万円以下におさめる為外装の仕上げをかなり簡略化していると思います。トップ塗装だけなのも塗装の失敗リスクを避け塗料の節約と納期短縮を図ったものと思われますが、そのせいで塗装で隠せたはずの外装の粗さが全面に出てしまっています。
他にも指板面の黒ずみや接着剤の取り残しなど
数え上げればキリがないので見た目を大事にしたい方は買わない方がいいです。因みにサウンドハウス製のマンドリンは同価格帯ながら塗装面の仕上がりは綺麗でおすすめ。
しかし粗さをマスキングする為に厚めの塗装を施すとい事は楽器の鳴りが大幅に損なわれるので、これまたトレードオフの関係にあると言えます
・付属品について
ソフトケースが付いてきます。ただし向こう側が透ける位ペラペラなので長距離運搬などはしない方が無難です。大事にしたい人はテナーウクレレ用ケースがピッタリハマるのでそちらを買ってあげて下さい
という感じでパパッと文字でレビューをしてきましたが、好みがはっきりと分かれるマンドリンだと思います。仕上がりの良さを求める人は素直に5.6万の上位機種を買う方が精神衛生上良いと思います。ただ買う側の人も値段なりの理由がちゃんとある事は理解して欲しいです。
 
ただでさえ生産数や職人が少ないマンドリン業界なので下げられるコストにも限界はあります、老舗のブランドに傷が付くリスクを恐れずに新しい試みを発表したイケガクさんの事を僕は素直に応援したいです。それほどまでにマンドリン業界を盛り上げたい、少しでも興味を持って貰いたいという気持ちが伝わってきました。
 
 
興味がある方は是非チェックしてみてね!