令和元年 環境農林水産委員会 管外視察
9月5日(木)、9月6日(金)に北海道を査察しました。
9月5日(木)
・(株)エルコム E-pep 廃プラスチック燃料化システム
1991年創業、来年で30年になります。発泡スチロールやペットボトルをペレット化する装置とそれを燃焼させるボイラーの製造をしています。1日20キロの廃プラが出る企業で換算すると、処分費で600万円、重油などの燃料費で600万円、計1200万円の経費削減につながります。これらの設置には、道の産廃税で1億円の補助が出ます。ゴミをエネルギーに変える、自分でペレットを作り、自分で焼却しエネルギーにするという流れです。長崎県対馬市と連携しています。また、広島県の漁連との連携も進めています。今後は、災害時も発電機としても考えています。
・コープ札幌 エコセンター E-pepの導入
ここには道内のコープから35000トンの資源ゴミが集められます。(株)エレコムのE-pepを導入したのが2017年。江別市は冬にマイナス20度。道内から集められた廃食油を溶かすために電気、重油で温めていました。それを自分達で集めた黒色トレーを再利用して、E-pepで温めることにしました。毎日、500CCのペットボトルが3000本、年間に95万Lの廃食油が集まります。これらは、ボイラーの燃料、トラックの燃料、鳥の餌になります。エコセンターの廃棄物の7割は、このペットボトルです。油まみれのペットボトルの処理、頭が痛い所だそうです。
その他、白色トレーは溶かして固めて再生プラスチックのインゴットとして主にマレーシアに輸出されます。その他、再生紙、服、ぬいぐるみ等が海外に輸出されます。このエコセンターで、約6億円の売り上げがあります。気になる配送費は、エコセンターと物流センターが近いので、物流の静脈、行きの空荷にこれらの品物を乗せる事でコストの削減ができます。
9月6日(金)
・北海道大学 生分解性プラスチック
松本先生から説明を受けました。先生は、PHA(ポリヒドロキシアルカン酸)、微生物が作るプラスチックを研究しています。廃プラが叫ばれて、2019年は、日本のPHA元年となりました。しかし、廃プラのイメージだけで動いていることが問題と言われます。何のためにリサイクルをするのか、曖昧に良いからやるは駄目です。科学的、定量的な根拠が求められます。メーカーは作るだけ、ユーザーは使うだけ、行政は集めるだけの、現在のバラバラな構図から連携の構図に変える必要があります。行政に求められる事は、統一基準をしっかり作ることです。今のままだと、取り敢えず見えなくなれば良いというプラスチックが出でくる。いわゆる分子レベルが残るプラスチック。これでは駄目で、しっかり分解菌がCO2に変える事が重要。セブンイレブンとカネカの取組は期待している。
また、ユーザー側の教育が必要。ヨーロッパでは、子供の頃からきちんとゴミの分別の必要性、ポイ捨ての禁止などを教える。ユーザー一人一人の意識が大事。
先生の説明で、未来は守れると思ったしかし、今あるゴミは私たちが解決しなければならない問題と痛感した。
・北海道6次産業化サポートセンター
中小企業総合支援センターの中に、北海道6次産業化サポートセンターと北海道よろず支援拠点が一緒になっている全国でも6道県のワンストップセンターです。6次産業とは、1次(生産)、2次(加工)、3次(流通・販売)を掛け合わせて6次となります。北海道から海外に輸出している金額は1000億円。うち食品が700億円です。内訳は、ホタテ400億円、ナマコ100億円、長芋25億円、その他が175億円です。北海道としては、素材ではなく加工品として付加価値をつけ、この175億円を増やすことを目標としています。一つの事例として、フルームという会社が紹介されました。同社は、銀龍苺を生産しています。兵庫県のアンリシャンツや鳥取県の寿スピリットと連携しています。代官山にもショップを出しました。これらの事をサポートセンターと相談しています。また、この7月にはマレーシアでの北海道物産展にも出品しています。
売りたい側と買いたい側、民間と民間を繋げることが大事です。