リノベーションの始まり”解体”には、DIY上達の基礎的要素が詰まっている | B&Fab「本」と「ものづくり」と「珈琲」

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本(Book)とモノづくり(Fabrication)を中心に、人が集まり会話が生まれる憩いの場、そんな場所を作りたく、ただいま奮闘中!(または迷走中)


「リノベーション」という言葉を聞いて何を思い浮かべるだろう? 

死にかけていた建物が生き返る(再生)、古いあり方を捨て新たな機能を創り出す(革新)、朽ちたものを取り除き新しい空気を入れる(刷新)  

「リノベーション」にはその全てが含まれている。 

単純に綺麗にするだけのリフォームとは違う。 

だから「リノベーション」をやるのには”魂”が必要のだ。 


なんて、カッコイイこと言ってみたものの、なんてたって楽しのが一番だ。 


空き家をDIYで蘇らせるという、とんでもなく面白いことをやっている「空家レンジャー」の活動は、日々進化している。 

多様なメンバーが参加し続けているため、可能性がどんどん広まっている。

 それに伴いメンバーの意識も高まってきている。 

ただ見よう見まねで作業をするのではなく、しっかりと建築の基礎知識を習得したうえで、安全かつ適切な作業を目指す方向に進みつつある。  

そして今日は「葉山ファクトリー」の天井解体作業を行うにあたり、建築のプロでもあるメンバーのクリアさんを招いて、解体作業をするうえでの基礎知識を講義してもらった。 


いまどきの家の壁面は木材ではなく、多くは石膏ボードが使われている。 

そして日本のシェアの大半を占めるのが「吉野石膏のタイガーボード」らしい。 

これは安くて耐火性が高いというメリットがある。 


実際「葉山ファクトリー」の天井もタイガーボードが使われている。 


そこでクリア先生のレッスンワン!

 「タイガーボードを加工するときは、カッターだけを使います」

 「えっ、石膏を!そんな紙を切るカッターで!」

 「おもて面にカッターで切れ目を入れて、そして裏側から軽くヒザで蹴る。よいしょ!」 

パキッ、簡単にしかもまっすぐに割れた……。 

まるで、切れ目の入ったカレールーを割るかのように。  


感動の余韻に浸る間もなく、早速天井解体作業だ。 

解体のときの注意事項をクリア先生から教えてもらう。 

1.作業をする前にそれぞれの役割、手順を明確に意思疎通しておき、物が落下する位置に人がいることがないように。 

2.ヘルメット、マスクを必ず着用すること。 

3.電動工具を使用するときは巻き込まれるのを防ぐため、軍手は着用しないこと。 

安全第一だ!  


今回の作業は天井のタイガーボードを除去することと、ボードを固定すために組まれた木材の解体だ。

 タイガーボードは先ほどのレッスンの通り、カッターで切れ目を入れてパキッ! 

あれっ?

 なんと2枚重ねになっているため割れないのだ。 

仕方なくグラインダーで切れ目を入れて、バールでぶち倒す力技を行使するしかない。  


木組みの解体は、建物の構造上に影響ないことを確認したうえで行う。 

2人1組で一方向に作業を進め、間に人が残ってしまうことのないように意思疎通。 

声を掛け合う姿が、なんとなくプロっぽく見えてくる。  


木組みで使われていた角材は、DIY改装にとってはとても貴重な資源なので、丁寧に一本一本釘を抜く。

 古くさび付いている長い釘を抜くのは結構な力仕事だ。 

木をなるべく傷めないように、慎重に抜いていくうしろ姿は、なかなかシュールなものだ。


 解体とは別作業で、カフェのテラスにお洒落なカウンターが設置された。 

天気のいい日の夜に、このカウンターで美味しいクラフトビールをいただくことを想像する。 

星の輝く夜空を眺めながら……。 

至福のひととき。 


 本日のまかないとおやつ 

・特製カツカレー(味噌汁、サラダ付き) 

・サーターアンダーギー 

ミドリさん、ヒマワリさんありがとうございました。 


 毎回行くたびにどんどん姿を変えて、まるで新たな生命が誕生しているような「葉山ファクトリー」。

 自分たちの手でそれが生み出せている喜びは、他に代え難いものであることは間違いない。


 (了)


 「空家レンジャー」今後の活動予定は、 5月13日(土)、14日(日) 葉山ファクトリー https://www.facebook.com/akiyaranger/?fref=ts  


ゴールデンウィーク関連イベント 4月29日(土)〜5月7日(日) 

シェアハウス「海古屋」で葉山芸術祭参加企画開催 

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