記事より】
今回、後期曲のようなリミックスが難しいとされていたモノラル全盛期の前期ビートルズの楽曲のリアルステレオ化ミックスを可能にしたのは、やはり “Now And Then” を完成へと導いた MAL(マル)の存在です。
“MAL”と いうのは “Machine Assisted Learning” (記事によっては ”Machine Audio Learning” ) と表記される、ピーター・ジャクソン監督とそのチームが 2021年のビートルズのドキュメンタリー “The Beatles : Get Back” の制作過程で開発したAI・マシンラーニングの技術です。
もちろん、ビートルズに献身的に尽くしたローディのマルとのダブルミーニングです。
このあたりもさすがPJ監督だなと思わせられます。
(他にも、私が直接見聞きした情報ではありませんが、映画『2001年宇宙の旅』のHALへのオマージュ説も小耳に挟みました。)
特定のサウンドをいくつも学習させることでその音だけを抽出させることができ、そのお陰で Get Back でもあんな風にクリアにメンバーの会話や演奏を聞き取ることが可能となりました。
この技術が「デミックス」です。
同様に、ジョンのデモテープからピアノや騒音を取り除き、クリスタル・クリアなジョンの声だけを取り出すことが出来たことにより、私たちはビートルズの最新曲 “Now And Then” を聴くことが叶ったのです。
加えて、今回赤盤でファンに大注目されていたのが、これまでマスターテープが廃棄されている等の理由で "なんちゃってステレオver. " しか作られてこなかった超初期の "Love Me Do" や "She Loves You" などの重要曲が、MALによってリアル・ステレオ Mixで聴けるんじゃないか!?ということでした。