最近よく『奈落』について考えます
きっかけは去年鬼籍に入られた方の件で
４年ほど前でしたでしょうか
とあるきっかけで知己になったんですが
年は私より上で(４～５才かな？)
二十歳を過ぎた息子さんとの二人暮し
何年か前にご主人を亡くされて
その後、躁鬱とアルコール依存で
病院に通い、薬を処方され、、、
ご主人の遺された資産と障害年金で
生活には困らない、と
しかし、、、
朝起きて～何もする事がない日々の中で
徐々に病が進行し、薬物への依存度が
ご本人も何度か立ち直ろう
やり直そうとされていたみたいですが
何度も何度も騙され利用され、、、
ショックを受ける度に病が進行、と
何故か懐かれた形になっちゃって
少々困ったな、と思ったんですが
よくよく話を伺って
心証風景を確かめてみると
どうも私に対して
亡くなったご主人ではなく
昔旅立たれたお父上が重なっていた様子
要は懐かしい優しかったお父さん？
う～ん、まぁしょうがない
私に何が出来るかわかりませんが
取り敢えず私に出来ることが有れば、と
とにかく、
話し相手になる・話を聞く
電車に乗るのが怖いので有れば
都合がつく範囲内で付いていく
酒を飲むな、と言っても無理なんで
出来るだけ量を飲まないように説得
当然、自分も目の前では飲酒を控える
処方された薬も
我慢せず、不安が解消できるなら
必要以上に飲み過ぎない程度に、と
私は精神科医でもカウンセラーでも
もちろん宗教家でもありませんので
治すことも、救うことも出来ませんが
相手をすること、話を聞くことは出来る
そして、
このような状況に陥っている方は
病院や行政はもちろん
地域の人の繋がりで
支えるべきなのでは、と
理解してくれる人達も居ましたが
いろいろ・様々・揶揄する人も居ました
偽善者呼ばわりされたこともありました
それでも
少なくとも、
悪いことをしている訳ではないとの思いと
パチンコで小銭を稼いで
社会の片隅で生きるだけではなく
何か世間様のお役に立てればと
結局、その方はちょうど１年ほど前に
お亡くなりになられました
少々寂しい旅立ちだったようです
息子さんの新しい彼女と
折り合いがつかず
心の支えだった息子さんとの関係が
微妙になって
どんどん薬を飲む量が増えて
アルコールも歯止めが効かなくなって
どうしようもありませんでした
旅立たれた話は、風の噂で耳にしました
私も、あの方の周りを埋めていた金銭目当ての輩と同じくくりで見られていたようで
連絡を頂くことはありませんでした
私見ですが
人はふとしたきっかけで
思うと思わざるとに関わらず
簡単に奈落に堕ちてしまう
そして、一旦陥ると
なかなか這い上がれない
最終的に奈落の底に至った時に天命が、、
奈落の入り口でもがいている人がいたら
助けることはなかなか難しい
ただ、光をさしてあげることは
出来ると思います
自分が出来る範囲で
自分が出来ることを
先般、私がその方から
お金をもらって言いなりに面倒をみていた
と、語った方に
自分なりの考えを申し上げたんですが
悲しいかな
真意は理解して頂けないとは思いながら
でもね
しつこいようですが
誰しも、誰だって
ほんの些細なきっかけで
簡単に奈落に堕ちてしまう
他人事ではないんですョ、と