「弱きを助け」は

勧善懲悪モノの時代劇の基本であり、

道徳の教育等でも

そのような理念が強調されます。

 

しかし、

これが安全保障の世界となると、

「弱い」という事は、

悪代官並みな罪となります。

 

少なくとも守るべき国民に対して。

 

 

常に弱肉強食な現実に晒される

安全保障の世界、

それが国家であれ、

裏社会であれ、

企業活動であれ、

「弱い」という事は

駆逐されるか、

強者の風下で生き永らえるかの

二択を迫られます。

 

 

例えば、

戦国最強を誇った甲斐武田氏ですが、

信玄亡き後織田家に滅ぼされると、

嫡流は旗本500石となり、

武田二十四将と呼ばれた

名将たちの家も、

大名家として残ったのは

譜代からは土屋家、

外様から真田家の2家だけとなります。

 

家康が仕えた名家今川家も、

嫡流は1000石の旗本となります。

 

敗れるとはそういう事です。

 

 

遠い戦国乱世の話だけでは無く、

買収された企業、

吸収された側の企業の

社員を待ち受ける悲哀は、

現在でも耳にします。

 

 

軍事でもビジネスでも裏社会でも、

戦う世界において、

敗れるとはそれそのものが悪であり、

そのきっかけとなってしまう

「弱い」という事は、

守るべき対象に対する罪となります。

 

 

中国の故事に

「臥薪嘗胆」

があります。

 

紀元前5世紀、

孫子の兵法書の著者、

孫武も仕えた「呉」と

「越」との戦争でのエピソードで、

志を達する為に苦労に耐える、

という意味です。

 

この臥薪嘗胆、

日本では

三国干渉から日露戦争の時代に

盛んに言われましたが、

中国では伝統的な戦略となっています。

 

毛沢東が遺したと言われる戦略に、

対象国との戦力比が

 

①劣っている場合は防衛的

②均衡の場合は現状を堅持

③勝っている場合は積極攻勢

 

というものがあるのですが、

まさに臥薪嘗胆の戦略です。

 

これを現実的な

日中関係に当てはめて考察してみます。

 

 

戦後の日本は

長らく平和を享受してきました。

 

人によっては日米安保条約のおかげ、

人によっては憲法9条のおかげで。

 

しかし、2005年

第四世代戦闘機と呼ばれる

最新鋭戦闘機の保有数において

中国が日本を逆転します。

 

現代戦においては、

陸軍や海軍が戦力を発揮する為にも、

国土を防衛する為にも、

かつては制空権と呼ばれ、

現在は航空優勢と呼ばれる

航空戦力による空の安全の確保は

欠かせません。

 

それを支える最新鋭の戦闘機の

数において日本が劣勢に立った年、

航空自衛隊の

緊急発進=スクランブルの回数が

倍近くに増えます。

 

具体的には

前年の141回から229回に増え、

以降増加傾向にあり、

その中での中国機の割合は

確実に増えています。

 

政権が民主党に移ると、

さらに100回近い増加となり、

尖閣諸島沖での

衝突事件などに発展していきます。

 

確実に、戦力が勝る事で

積極攻勢に出た形ですし、

民主党政権となり

日本が弱体化する中で、

より強硬に出ている事が分かります。

 

つまり、

戦後日本が享受してきた平和は、

憲法によるものでも、

徳や正義によるものでも無く、

戦力比で周辺国に勝っていたという

現実に過ぎません。

 

 

自民党政権に戻り、

イージス艦・潜水艦の増強、

第五世代戦闘機の購入、

空母の導入と決めてきました。

 

これを周辺国を刺激する暴挙とする、

アメリカへの上納金と見る、

高い無駄な買い物と見る、

そんな見解を持つ人もいます。

 

しかし、

歴史が証明し、

現在の国際情勢が示すように、

国破れては山河は在っても

国民の幸せと豊かさはありません。

 

 

中国やロシアは実は理性的な国です。

 

相手が強いと確信すれば、

積極攻勢には打って出ません。

 

事実、言葉の応酬はあっても、

アメリカに対して

直接的な対決姿勢は見せません。

 

 

軍拡は

相手の経済にも

こちらの経済へも負担となるものですが、

国が敗れて被る以上の

損失を出さない為にも、

現状維持による

消極的な平和であっても、

安定を手にする為には、

「強い事」は正義であり、

守るべきものに対する責任であり、

重要となります。

 

 

■ 講演 ■ 
「偏差値30の東大生」
何故偏差値30のLAの不良は
東大大学院まで進めたのか

講演料:50,000円+交通費
90分を超える場合は要相談

 

講演お問い合わせはこちらから

 

大人の社会科授業
授業内容:

①「勉強の仕方」

②「安全保障論」

③「プロパガンダと広告」

④「経済学って面白い」


費用:お一人 5,000円
(飲食代別)

お申し込み方法など
詳しくはこちらの記事をご覧ください

 

ポストお問合せはこちらからポスト

 

取材、出演、執筆依頼 コンサルティング相談など

 

ペタしてね