本年もよろしくお願い申し上げます
古くからのお客様や営利用玉葱種子をお買い上げのお客様に実際に差し上げている一風変わった「年賀状」です。当ブログをご覧いただいている皆様にもご挨拶したいと思い引用させていただきました。
A4一面位の文章を虫眼鏡で見なければ読めないような小さい字で印刷された葉書ですが、楽しみにしていますという少数?(笑)の声に励まされてもう20年以上続けています。わざわざお返事を頂いたお客様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
*********** 《年賀状》 **************
謹賀新年 令和六年元旦
今回の話題は玉葱です。
2019年度の県別の生産量は1.北海道63% 2.佐賀10.4% 3.兵庫7.5% 4.長崎2.6% 5.愛知2.1% 6.熊本1% 7.静岡0.9%となっております。北海道、佐賀、兵庫、長崎で80%を超えていますが、北海道は圧倒的です。車の世界ならトヨタのようにダントツです。高級車や高付加価値のトヨタ車がシェアを伸ばすと、他のメーカーは軽や小型車販売に力を入れざるを得ません。ですから北海道が作況に大きく影響を受ける構図は今後も変わることはないでしょう。
ところで、北海道の玉葱品種は淡路や佐賀・長崎では作れません。(春夏栽培が不可能な)暖地では秋播きのため必ず冬越しをしなければなりませんが、その低温のため、北海道の品種では100%トウ当立ちします。北海道の栽培期間は4月~9月です。梅雨がなく適温が続くので無理して寒い時期に栽培する必要がありません。つまり、低温でもトウが立ちしにくい品種改良を受けていないのです。
一方、暖地の玉葱は冬を越して春に向かいながら肥大し収穫します。最初に葉が太り、結球するのは2番目と順番が決まっています。その切り替えは太陽が決めます。つまり昼が長くなって春が来たことが感知されると成長のスイッチが2番目に切り替わるようにできています。ですから九州の品種を北海道で作ろうとしても、春から夏までは昼が夜より長い(長日条件)ために、定植直後から2番スイッチがONになってしますので結球が始まってしまうのです。つまり、暖地の玉葱は北海道で夏播きしてもまともな玉葱はできません。
このように玉葱は低温や、日長に大きく影響を受けるため、外国の品種が日本を席巻することはないと思いますが、トヨタ車の独占化のように北海道産の動向で単価は変わります。もし車同様に品種の住み分けが進むのであれば、暖地で顕著にみられるように1月以降収穫の春どり新玉葱の栽培が今後ますます増えることが予想されます。この作型は北海道では逆立ちしても無理なのですから、間違いありません。当店には加津佐13号やスーパーアップの情報が日々集まってきております。また未知数の多いこの分野の情報を今後も皆様と共有できたらと強く実感しております。
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