ほうれん草のトウ立ち | 家庭菜園を応援する農業おやじのブログ~家庭菜園・園芸用野菜の種のことなら市川種苗店

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本日、ほうれん草が売り物にならない!と、
お客様がトウが立ったほうれん草を持ち込まれました。

 

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よく観察してみました。間違いなくトウ立ちです。

 

 

問診を続けました!(笑)


①品種は何ですか?
「ミラージュ」か「のびのび7」であったとのこと。
どちらも春蒔きOKの品種です。
当店で4月上旬頃お買い上げでした。

②いつ種まきしましたか?
ハッキリとは記憶していないが4月に蒔いたとのこと。

③畑は夜真っ暗になりますか?
街灯などはないので真っ暗になるとのこと。

④茎が細長くて葉軸が多いですね?
はい。

⑤急にトウが上がってきたのですか?
はい。

原因は何か?どうしたら回避できたか?

皆さんもちょっと考えてみてください。

 

 

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【ほうれん草の基本】~ほうれん草について復習しておきます。

A)ほうれん草は低温が好きで高温が苦手!
ですから露地では普通9月頃から3月頃までが栽培適期になります。
4月~8月は高温期になりますので、ほうれん草は主に雨よけハウスなど資材を使う栽培や高冷地栽培のみ可能で、一般的に露地栽培は難しくなります。ちなみに今回のお客様は準高冷地にての栽培でした。

B)ほうれん草はアブラナ科のように低温だけでは花芽分化は起きない!
だから平気で冬に露地蒔きできますし、冬越し栽培も容易です。長日条件で花芽が分化し気温の上昇とともにトウ立ちします。ですから菊などとは正反対に、街灯など人工的な光がある畑ではほうれん草は長日だと勘違いしてすぐトウ立ちしてしまうので栽培ができません。

B2)ほうれん草は二系統に分かれます。それは、トウ立ちしやすいけれど低温に強く肥大が比較的早い系統と、低温では肥大が遅いがトウ立ちしにくい系統です。
以前は、東洋系、西洋系と言っていたが最近は両者のハイブリットが主流となっています。前者は9月から冬蒔きに適し、後者は春蒔きに適します。種子が残っているからと安易に蒔き時を決めると、トウ立ち・生育の早晩の逆転・商品価値の低下などにより栽培の意味を失います。

C)ほうれん草は畑を選ぶ
ほうれん草は7に近いPHを好み酸性土壌では生育しにくいです。またほうれん草は非常に直根が発達する野菜なので、深い耕土が必要です。サカタによると理想は60cmだそうです。水はけが悪く、硬盤層が浅い畑ではいくら有機質を投入してもほうれん草はうまく栽培できません。60cmの深さの土壌に含まれる養分を独り占めにしなければ上手く育ってくれない気難しさがある!と言えそうです。

D)ほうれん草にはあまり害虫がつかない。
ほうれん草のべと病は深刻化しています。しかしアブラナ科で問題になるコナガ、アオムシ、キスジノミハムシなどの主要害虫はほうれん草を嫌います。秋~早春の栽培では無農薬栽培さえ簡単に行えます。だから葉物野菜の王様たりうるのかもしれません!?

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例により前置きが長くなりましたが、本題に入ります。(笑)

③より初心者に多いミス=「街灯などによる長日化(B)」は起きていないようです。
①~②より、栽培が難しくなる4月以降になっていますが、品種の選択は間違ってはいません。

ではなぜトウ立ちしたのでしょうか?

今は6月下旬。そう!昨日が夏至でした。一年で最も長日となる日です。どのほうれん草も種ができます。種が存在するということはトウ立ちしたという証拠です。花が咲きトウ立ちしないと種は採れないからです。春~夏まき用の品種はトウ立ちしないのではなく、トウ立ちしにくい品種であることに注意しなければいけません。絶対にトウ立ちしない品種などあり得ません。春彼岸から秋彼岸までは長日です。長日下ではトウ立ちする前に収穫が完了しなければなりません。


今回のケースは、葉軸が多く、細長く、色が薄いことに注目しました。

トウ立ちしない品種はないのだから、たとえ晩抽を謳う品種であっても時間がたてばトウ立ちします。つまり今回のような4月蒔きの場合は播種から収穫までの時間が掛かりすぎていることが失敗の要因と考えられます。葉軸がかなり多いのがその証拠です。

ではなぜ時間が掛かりすぎているのでしょうか?
たぶん、株間が狭すぎたせいです。種子と種子の間隔が狭すぎ、間引きも遅れたか、必要十分な間引きが行われなかったものと予想されます。これは葉軸が細長く、緑が薄いことが物語っております。


【春蒔きほうれん草を抽苔させないために】
秋まきは春蒔きと違い短日条件での栽培となりますのでトウ立ちが問題となることはまずありません。繰り返しますが、春蒔きは3月下旬の春彼岸を超えると必ず長日になるので、いかなる晩抽系品種を使ってもいずれはトウ立ちします。だから、春蒔きの場合はトウ立ち前に栽培が完了するように早く生育させることが絶対的な必要条件ということになります。

(晩抽系の品種選択と十分な有機質や石灰の施肥は既知の前提として)箇条書きにしてみます。

Cにより、小松菜なのと違い畑を選ぶので、水はけのよい耕土の深い畑を選ぶ。特に、梅雨に向かう時期には高畝にするなど排水には特に留意する。

短期間で生育させるためには不揃いな発芽は禁物。一斉発芽させるようにプライミングなどの処理済の種子を使う。なお、高温期の発芽には種皮が薄いMクラスが良い。逆に低温期には発芽勢が強いLの方が良い。発芽までの水分確保と播種後の鎮圧は他の時期同様特に留意すること。

間引きしないで済むような種まきの技術が理想。特に春は間引きが遅れると加速度的に生育が遅れるので抽苔しやすくなるから。つまり春蒔きは薄蒔きに徹すること
逆に、秋まきは短日でもあり、遅まき程生育期間は長くなる傾向があるので、やや厚めにまいてもOK!また、間引きがやや遅れてもそれなりに収穫できる。

※株間が2倍だと一株の専有面積は4倍。光合成エネルギーも根からの養分や水分の吸収量も4倍。当然、発芽時期から株間が2倍だと二倍以上の生育をすることが予想されます。
薄く(=種子間隔が広いという意味)種まきすることは生育のスピードアップに直結するという教訓を改めて実感いたしました。

 

 

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