今日は五反田に来ています。
五反田は大好きな店がたくさんある街。

カレー、焼きそば、うどん、洋食など、B級の宝庫です。


そういえば「グリルエフ」にはまだ行ったことがないのに気づきました
東京の洋食の老舗であり、

五反田の駅のプラットフォームから見えるほどの有名店なのに。

というわけで駅から徒歩10秒。

 

ツタの絡まるレンガづくりのビル。

看板の書体も歴史を感じるというよりは、なんとなく怖い感じ。

いったい何でこんな書体を……。

ホラー感覚満載です。

 

同じ老舗でも煉瓦亭やフランス料理屋の方がまだ入りやすいくらいの

威圧感があります。
そこらの下町洋食店なら、おっちゃんメンチカツ定食ご飯大盛りな、などと、いけるんですが

さすがにここは無理っぽい雰囲気。

しかし怖いのは外観だけ。店内のあたたかい雰囲気がガラス越しに見てとれます。

では入店。

カウンターの対面キッチンとテーブル席。

二階にも席はあるようです。

一歩足を踏み入れると、中は洋食店らしい良い匂いが充満。
ちょうど熱したフライパンにソースを入れたところらしく、

ジュッという音とともに、店内にバターとデミグラの匂いいっぱいに広がります。

匂いのファンファーレのようです。

これは歓迎のサインであると判断。



グリルエフの名物は、メニューに載ってないけと皆頼むという

不思議なハヤシライスが有名です。

カレーも好きだけど濃いデミグラのハヤシも大好き。
当然ハヤシライスをオーダー。
 

デミグラを頼んだらバランス的にベシャメルも頼まないと

バランスを失するでしょう、ということで、エビグラタンもお願いしました。

「白黒ソースお試しセット」と勝手に命名。

 

はい、きました。ハヤシライスとエビグラタンです。

大ご馳走だ。お盆と正月が一緒にやってきた!

 

このクラシックな盛りつけがたまりません。

グリーンピースが泣かせます。

とはいえ、表面はほぼ玉ねぎ。というか中身もたまねぎ。

しかも火入れをあまりしていないシャキシャキタイプ。

どうやら炒めた野菜類に、ソースを後から加えるパターンのようです。

漆黒のソース。

食べてみると苦くてうまい。

なんとも複雑で深い濃い味。それらを凝縮すると苦くなっていくという。

 

このほろ苦濃厚ソースにシャキシャキ玉ねぎ。合います。

煮込んで煮込んで、行き着くとこまでいくと

どんなソースもなぜか黒くテカテカになるのは共通のようです。

うなぎしかり、かえししかり、カレーしかり。


ご飯と合わさることで凝縮デミグラが花が開くようにほどけていきます。

まったく分野は違いますがウィスキーのストレートをチェイサーと一緒に飲んでいる時のようです。

この原液がソースの原点、ああ、このソースだけ水筒につめてお家に持って帰りたい。

 

 

こちらエビグラタン。

グラタン皿におおいかぶさるようにソースがくつくつ言っています。

チーズとベシャメルの匂いが、魅力的。

 

フォークで開くと中からエビとマカロニがこんにちわ。

ホワイトソースも上々の味。

グラタンなんて食べるのいつ以来だろ。

懐かしくなるようなお味でした。


入る前までは殿堂入りのオーラに押されていましたが

実際初めて入ってみて、すごく入りやすく家庭的な店だったことにびっくりしました。

 

昭和の洋食の神髄を味わえるお店です。

いまさらおすすめするまでもない超有名店ですが

初めて来て期待にたがわぬおいしさでした。


また来ますね。