見ての通り、切羽の写真です。
当店は、使える刀を、使う人に販売する事をモットーにしていますので、古い刀を仕入れた時、柄木がひび割れしてる様な時は、金具だけを利用して、柄を作り直します。
この時、切羽は新しいものに交換する事が多いので、必然的に、古い切羽が手元に残ります。
これが中々役に立つのです。
昔の切羽は、全て手作りですから、ひとっづす厚みが違います。
木が痩せて来て、鍔と柄の間が少しくガタツキが出てきた時、いろんな人が革で切羽を作ったり、紙で作ったり、いろんな工夫をされますが、以前の物より、コンマ数ミリ厚めの切羽が有れば、ピタッと来ることも多いのです。
逆に、鍔を替える時、カタログでは同じサイズでも実際には、僅かですが個体差が出る事が有ります。
そういう時は、今までの切羽より少し薄めの物に帰る事で、ピタリと収まる事も有るのです。
なので、この、古い切羽は非常に活躍してくれます。
当店は、出来るだけ安価に拵等を作る為、基本的には既製品の切羽を多用していますが、昔はみんな手作りですから、違いが有ってもおかしくありません。
この古い切羽の多くも、当店に取っては財産なのです。
長さ・刀身重量・身幅・重ね・反りが極めて尋常で大変使い易いお刀です。
体配はかなり理想形に近いお刀だと思います。