以前、当店のスタッフが柄巻きの修行を始めた頃に書いた記事ですが、偶々見ると、懐かしくなって、皆さんにも見てもらいたく成りました。
茎を作ってみました。
と言っても、柄巻きに使う「指し金」の事ですが。
先日、柄巻きの先生に来ていただいた時、あれこれと、必要な物を多数お聞きした中で、その中で、一般に販売されていない物が、この「指し金」です。
「なかなか手こずるな」と思っていましたが、スタッフの旦那さんが、切断機で両サイドの斜めにカットする部分を、会社の「切断機」でやって来てくれました。
これをやってもらえたら、こっちの物です。
昔は、ナイフメーキングをするのに、サンダー一つで、切断機の役目もその後の、ナイフの外形を細かく作る所までやっていた経験を活かし、刃側を薄くして行って、あっという間に出来上がりました。
本当は、ここから鑢の手作業に移るのですが、サンダーの刃の番手を調節して、バリ取りまでやって、手で触っても、切らない所まで整えました。
(最初は、居合刀を切断して使っていました。これではダメと言われ作成に)
(サンダーでの作業終了)
最後に耐水ペーパーで更に丁寧に仕上げていきました。
(ピカピカの茎です。)
流石に、ミラーフィニッシュやヘアーラインフィニッシュとまでは、不要と思い、鑢目は残したものの、何処を触ってもバリも引っ掛かりも無く、手を傷める事は無い様に仕上げました。
(完成です。さす穴も広げて、一旦抜かずに回転させられるようにしました。)
これで一層頑張ってくれると嬉しいです。
(頑張って変色して、痛々しい手ですが、努力している手です。
お風呂に入ってもジンジン痛いと言ってました)
以上
これは、3年以上前に書いた記事ですが、その後どうなったか。
今朝、写真を撮らせてもらいました。毎日の様に柄糸を巻くので、少し色は黒いですが、今は全く痛くも何とも無いそうです。
でも、今は、普通の柄巻きから、撮み巻き、蛇腹糸まで、自在に操ります。
この人に巻いて欲しい人は、通常の巻き直しでは無く、上級の巻き をご指定下さい。
ここまで来ると、安価な巻きの職人さんとは一線を隔してしまいました。
研ぎ上がりで、美しく剃刀の様な斬れ味の刀身と、紙紐に漆を塗った大変珍しく、現在では絶えた技術で柄巻きされている極めて珍しいお刀です。観賞に供して頂けたらと思いますが、凄まじい斬れ味なので、柄を作り直して、試斬用に使われるのも有りかと思います。
【現在は伝承者の途絶えた貴重な柄巻き、研ぎ上がり・斬れ味保証】「長船祐定」36.8cm 、鑑賞に・柄を作り直して居合・試斬刀として!!!