一般の方からすると意外に思われるかも知れませんが、日本刀は斬り方がまずいと直ぐに曲がります。
刃筋の感覚は、初めての方には少し分かり難いかも知れませんが、刃筋がちゃんと出せないと、意外な程簡単に曲がります。
以前、短刀を購入されたお客様に頼まれて、息子さんに試斬体験をせて上げました。
大変マッチョな青年で如何にも力が有りそうでしたが、少し振り方を教えたものの、畳表の1畳巻を前にすると、緊張した様で思い切り力任せに畳表を叩いてくれました。
重ね8㎜以上ある、主に太い竹斬り専用に使っていた軍刀ですが、見事に一発で「く」の字型に大曲げしてくれました。
あまりに大きく曲げたので、鞘にも入らなくなりました。
とりあえず、膝で伸ばして鞘に入るようにして、腕の良い研師さんに綺麗に伸ばしてもらいました。
ただ、金属疲労は確実に起こっています。
金属疲労を起こしたことが無いのが新作刀の価値でも有ります。
鉄の塊の日本刀が簡単に・・・と思われる方も居るかも知れませんが、使う技術が無いと簡単に曲がってしまいます。
道具は使い手の腕で、初めて真価が発揮されます。
新作刀なので、金属疲労を経験した事の無い強靭な刀身です。
刀匠自らの手で、白研ぎ(試斬用の研ぎ)まで仕上げられています。畳表は思い切り斬れますよ。
【圧巻の身幅、新作現代刀・抜刀道用大段平】「長船彰光助光」79.8cm 、抜刀道の方に!!!