こんばんは!
富永ペインクリニック院長の
富永喜代 です。
今日、
性交痛外来を受診された30代女性。
性交痛は、VAS=10。
(VAS 0は全く痛くない、
VAS10は死ぬほど痛い)
慢性疼痛治療薬を組み合わせ、
3か月かけて、
ようやく安静時の痛みを
VAS=0
まで持ってくることができました。
普段の生活では、もう痛くない。
ところが。
「これからセックスする」
そう思っただけで。
まだ触られてもいないのに、
VAS=4。
痛みが戻ってくるのです。
なぜでしょう。
慢性疼痛では、
長期間にわたって痛みを経験すると、
脳が「この状況は危険だ」と
学習してしまうことがあります。
扁桃体は恐怖や脅威を評価し、
海馬はその状況や記憶と痛みを
結びつける。
そして大脳辺縁系や
脳幹の防御反応系が働き、
「性交=危険」
「これから痛いことが起こる」
という予測だけで、
身体が防御モードに入ってしまう。
愛やリラックスだけでは解けない「脳の神経回路」
「もっと優しく触ればいい」
「リラックスすればいい」
「愛しあい、話し合えば大丈夫」
という話ではありません。
もちろん、
安心できる関係性や保湿、
丁寧な触れ方は大切です。
しかし、慢性化した性交痛では、
それだけでは解除できない
痛みの脳神経回路が
形成されていることがあります。
なぜなら痛みと恐怖、防御、逃避は、
私たちが生き延びるために備えている、
非常に古い脳の神経システムだからです。
愛が足りないから痛いのではない。
気持ちの持ちようで
痛みが治るわけでもない。
我慢すれば慣れるは間違い!専門医療が必要な理由
痛みを伴う性交を反復すれば、
「性交=危険」という学習を
さらに強化する可能性があるからです。
原因となる婦人科疾患、皮膚・粘膜、
骨盤底筋、ホルモンなどを評価し、
慢性疼痛として脳と神経系まで診る。
性交痛は、
「彼に優しくしてもらってください」
で終わらせてはいけない痛みであり、
医療が介入すべき領域です。
あわせて見たい!痛み専門医の解説動画
また、更年期以降の
デリケートゾーンの乾燥や
性交痛のケアには、
日々のセルフケアや
ホルモン補給もとても効果的です。
具体的なマッサージ方法や
ケアのコツについては、
こちらの動画で詳しく解説していますので、
ぜひ参考にしてみてくださいね。
性交痛外来の女医が教える!デリケートゾーンケアマッサージ~女の”現役感”を取り戻し、濡れる性器を手に入れる!~
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富永喜代プロフィール
医療法人TMC(Tominaga Medical Communication)理事長。
富永ペインクリニック院長。医学博士。
465gの赤ちゃんから104歳の高齢者、
FIFA日本サッカー代表などのプロアスリート選手など、
(通常1日2人のところ)1日平均12人、
2万人超の臨床麻酔実績を持つ。
YouTube 総再生回数 7800万回突破。
チャンネル登録者数 30万人。
SNS総フォロワー数 46万人。
経済産業省
『平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業』を
委託されるなど、痛み最新医療のリーダーとして
注目されている。
確かな腕とユニークなキャラクターが人気を呼び、
NHK「おはよう日本」
などのテレビ出演多数。
肩こり改善メソッドの処女作
「こりトレ」(文藝春秋)は10万部など、
累計 100 万部の著者である。






