今、子どもを熱烈に欲しがっているのは、
女性ではなく若い男性たち、
という結果が世界中で出ています。
(Pew Research Center 2023:男性57%、女性45%)
ここで起きているのは、
若い女性から母性が失われた、
という話ではありません。
先に見るべきは、なぜ若い男性側に
『子供が欲しい欲望』が
立ち上がっているのかです。
人間の意思決定は、
『 期待報酬 − 予測コスト 』
で決まります。
今のZ世代男性は、
・社会的役割の不安定化
・承認機会の減少
・経済的不確実性
・孤立感の増大
にさらされています。
このとき、
『父親役割』 は非常に魅力的に見える。
なぜならそれは、
ただの家族役割ではなく、
・所属感
・存在意義
・社会的承認
・長期的な報酬予測
を一気に与える
『高報酬パッケージ』 だからです。
「父になる」というのは、
現代男性にとって
失われつつある社会的ポジションを、
ひとつ明確に与えてくれる。
脳科学的に言えば、
これは報酬系が
立ち上がりやすい条件です。
しかも現実社会では、
子どもを産むのは女性です。
つまり男性側は、
・身体侵襲ほぼゼロ
・キャリア断絶リスクも相対的に低い
・生殖に伴う直接コストを負いにくい
だから、
「いつか子どもが欲しい」
という期待報酬が、
かなり自然に立ち上がる。
ここで初めて、
比較として女性側を見る必要があります。
女性に
母性がなくなったのではありません。
ただ女性の側では、
出産・育児に伴うコストが
あまりにも具体的に見えている。
産後うつ。
ワンオペ育児。
キャリア断絶。
更年期やGSM、産後の身体変化。
離婚後の養育負担。
今の若い女性は、
それを”知らずに母”になる時代ではありません。
だから、
男性が「父になる意味」に
報酬を感じやすい一方で、
女性は「母になるコスト」を先に
計算する。計算できる。
この差が、
子どもを欲しいと答える
割合の差として出ているのです。
つまり本質はこうです。
女性に”母性”がなくなったのではない。
男性の方が、父になることで
満たされる報酬を強く求める時代になった。
ということは、
「子どもを欲しがること」と
「実際に育てること」が、
男性の中で同じ熱量とは限らない
という示唆でもあります。
これが、今起きている構造です。
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■富永喜代プロフィール
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医療法人TMC(Tominaga Medical Communication)理事長。
富永ペインクリニック院長。医学博士。
465gの赤ちゃんから104歳の高齢者、
FIFA日本サッカー代表などのプロアスリート選手など、
(通常1日2人のところ)1日平均12人、
2万人超の臨床麻酔実績を持つ。
YouTube 総再生回数 7800万回突破。
チャンネル登録者数 30万人。
SNS総フォロワー数 46万人。
経済産業省
『平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業』を
委託されるなど、痛み最新医療のリーダーとして
注目されている。
確かな腕とユニークなキャラクターが人気を呼び、
NHK「おはよう日本」
などのテレビ出演多数。
肩こり改善メソッドの処女作
「こりトレ」(文藝春秋)は10万部など、
累計 100 万部の著者である。
《参考文献》
・Pew Research Center. Among young adults without children, men are more likely than women to say they want to be parents someday. 2024.
・Pew Research Center. Gender and Parenting. 2023.
・Glimcher PW. Understanding dopamine and reinforcement learning. PNAS. 2011.
・Mah A, et al. Dopamine transients encode reward prediction errors. 2024.
・Waldvogel P, et al. Contemporary Fatherhood and Its Consequences for Paternal Psychological Well-Being. 2016.
