「妻が嫌がるので、
無理はしたくないんです」
「僕は優しくしているつもりなんですが」
.
性交痛外来で話を聞くと、
その男性は本当に誠実です。
.
無理強いしない。
プレッシャーをかけない。
相手を思いやっている。
.
それなのに、距離は少しずつ広がっていく。
なぜでしょうか。
.
■ 優しさが“沈黙”を生む
.
女性側に
・乾燥
・痛み
・違和感
.
などの身体変化が起きると、
.
脳は「避けたい経験」として
脳の深部から学習していきます。
.
これは慢性痛研究で知られる
Fear-Avoidance(恐怖回避モデル)です。
.
痛み → 回避 → 接触減少
.
この流れは、
医学的に自然な反応です。
.
(参考)
Vlaeyen JWS, Linton SJ. Pain. 2000.
.
■ 優しい男性ほど、踏み込まない
.
ここで多くの男性はこう考えます。
「嫌なら無理しなくていい」
.
一見、正しい優しさです。
でも実は――
.
拒否されるのが怖くなり、
自分から触れなくなる男性は
少なくありません。
.
そして女性は、
「もう求められていないのかもしれない」
と感じ始める。
.
こうして、
話し合いも、触れ合いも
静かに減っていきます。
.
■ 報酬系は“使わないと弱くなる”
.
スキンシップや安心感は、
.
ドーパミン(報酬)
オキシトシン(愛着)
を介して、
.
「この人といると心地いい」
という神経回路を維持しています。
.
(参考)
Schultz W. J Neurophysiol. 1998.
Young LJ, Wang Z. Nat Neurosci. 2004.
.
しかし、
避ける → 触れない → 報酬が減る
.
この状態が続くと、
関係は自然に“無風”になります。
.
■ 本当の優しさとは何か
.
優しい男性ほど、遠慮します。
でも本当に必要なのは、
「大丈夫?」と聞いて終わることではなく、
.
「どうしたら楽になる?」と
一緒に解決を探すこと。
.
■ フェムケアが男性にも関係ある理由
.
女性の体の変化は、
愛情が消えたサインではありません。
医学的に起こる変化です。
.
EDを治療するように、
女性側のケアも自然に話せる関係こそ、
人生後半のパートナーシップを守ります。
.
(参考)
Portman DJ, Gass MLS. Menopause. 2014.
.
■ 最後に
.
セックスレスは、
誰かが悪いわけではありません。
.
優しさが、
少しだけ方向を間違えただけ。
.
性は、快楽の問題ではなく、
関係を維持する神経回路の
メンテナンスです。
.
人生は、
何歳からでも再起動できる。
.
ただし、
沈黙は、何も変えてくれない。
.
もっと詳しく知りたい方は、
自己紹介欄にある公式メルマガに
ご登録ください。
.
参考文献(掲載用)
1. Vlaeyen JWS, Linton SJ. Fear-avoidance model of chronic pain. Pain. 2000.
2. Apkarian AV et al. Chronic pain and the brain. Neuron. 2009.
3. Schultz W. Predictive reward signal of dopamine neurons. J Neurophysiol. 1998.
4. Young LJ, Wang Z. The neurobiology of pair bonding. Nat Neurosci. 2004.
5. Portman DJ, Gass MLS. Genitourinary syndrome of menopause. Menopause. 2014.
もっと詳しく知りたい方は、
こちらのメルマガにご登録ください。
https://tominaga-clinic.or.jp/mailmagazine_fb/
ポチっとおしてね↓
■富永喜代プロフィール
ーーーーーーーーーーーーーー
医療法人TMC(Tominaga Medical Communication)理事長。
富永ペインクリニック院長。医学博士。
465gの赤ちゃんから104歳の高齢者、
FIFA日本サッカー代表などのプロアスリート選手など、
(通常1日2人のところ)1日平均12人、
2万人超の臨床麻酔実績を持つ。
YouTube 総再生回数 7400万回突破。
チャンネル登録者数 30万人。
SNS総フォロワー数 45万人。
経済産業省
『平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業』を
委託されるなど、痛み最新医療のリーダーとして
注目されている。
確かな腕とユニークなキャラクターが人気を呼び、
NHK「おはよう日本」
などのテレビ出演多数。
肩こり改善メソッドの処女作
「こりトレ」(文藝春秋)は10万部など、
累計 100 万部の著者である。
