マウロとアンドレアに会う | 世界の映画祭へ挑戦 世界中で劇場公開を目指して

世界の映画祭へ挑戦 世界中で劇場公開を目指して

(・ω・)ノこのブログはカメラ片手にバックパックを背負い世界4カ国へ渡航し完成させた長編映画とそれにまつわる日々を綴っています。世界中のあらゆる国際映画祭に参加し劇場公開を目指す、勝つか負けるか?生きるか死ぬか?崖っぷち日記です。


セントロ1


第二回クルーミーティングを行う。ビアの友人で、マウロがAD、アンドレアがPAとして参加してくれる事になる。午後3時まで脚本を4人分プリントアウトする。すでに手持ちの現金は制作費を残すのみとなり生活費が1レアルしかないので、しかたなく近所の銀行へ現金をおろしに行く。ところがどっこい、ATMの画面がポルトガル語のみ英語無し!ATMの前で固まった10秒くらい。全く予想すら出来ない。仕方なく、剛くんに電話。出ない...うーん困ったと思いながら仕方なくリベルダーヂへ歩いて20分。気温30度。坂道多すぎ。息があがる。ゼエゼエ...

ニッケイ新聞社に着いて小林さんがいたので、英語ATMがある銀行の行き方を教えてもらう。笑顔で書いて頂いた地図はなぜか遠回り。小林さんなんで?(笑)突然、剛君から電話。僕が「調子はどうですか?」と聞くと彼は爽やかに「じゃあまた」と言って電話を切ってしまう(笑)なんで?

小林さんに教わった銀行に行き現金をおろす。「為替がな...」とイレトの低さにしょんぼりしていると、ビアから携帯に入電。ビアに「茨城県人会の前に着いたわ、今どこ?」と言われ一瞬固まる。「え!?」と焦る僕。どうやら行き違いで会う時間を僕が?間違えたらしい。ミーティングの時間が夜8時と思っていた。

昨日のサントスの件もあり、気温30度の中、焦る。歩いて帰れば20分。走って帰ったら死ぬと思って急いでバス停に走る。折角走ったけど待てどもバスが来ない。仕方なくタクシーを使う。しかし、未だに自分の家の住所を覚えていない(ありえない)ので、ビアにまた電話「僕の家の住所教えて」ビア電話の先で爆笑している。ポルトガル語が分からないので、タクシーのおっちゃんに無理矢理携帯を押しつけビアとしゃべってもらう。なぜか道を説明するだけなのに3分くらいそのおっちゃんとビアはしゃべっていた。

タクシーで一路茨城県人会へ。タクシーの暇そうだったおっちゃんと「いや、今日は暑いね~どう?仕事忙しい?」などとスペイン語で世間話をする。県人会まで6レアル(=250円)

どたばたしたけど、ビアといっしょにマウロとアンドレアが表玄関で待っていてくれた。ビアとアンドレアは女性なので?フランスで言うビズ?で挨拶する。抱き合ってほっぺにキスし合う挨拶なのだが、おいらはこれが何年経っても慣れず上手くない。今まで何人の女性を抱いたか覚えていないくらい抱いたが、いつでも小っ恥ずかしい。

おいらの仕事場と化している会議室でミーティングを始める。絵コンテを見ながら打ち合わせ。広いスペースがありがたい。マウロもアンドレアもこれから映画業界で働くため、ベアトリスの元で修行中?みたいな感じ。でも二人ともテキパキ動くブラジル人。結局ブラジルの製作システムもアメリカと同じなんだな、と思う。

マウロからがんがん脚本についてダウトな部分の質問を浴びせられる。監督である自分よりも熱心である。これまたピンポイントで返答に困る困る。日本語なら笑ってごまかすので、英語でも笑ってごまかす。僕自身も良く分からないままやっているところがあるので、七転八倒しながらもなんとか答えて行くが、明らかにその場のお茶を濁す。後は、明日、ビアとマウロがなぜか?おいら抜きでブレイクダウンシートを作るらしい。土曜日にロケスカをマウロとアンドレアとする事になる。マウロが「ロケスカ何時からにしようか!?よし、朝8時に集合だ!」と監督である自分よりやる気満々。「え?そんなに早くなくても・・・」と僕は思ったりした。不届きである。ま、などと話し合いミーティングは終わる。僕がスケジュールに関してもの申すと、ビアが「だれがプロデューサーだと思ってるの!?私よ!」と非常にたくましい発言。確かに、ものすごく準備は順調。非常に頼もしい。僕にとってありがたいのは、全員タバコを吸っているので全然気兼ねしなくて良い事だ。僕がタバコを吸うタイミングでなぜか皆タバコを吸う。モクモク。愛煙家最後の地ブラジル。

その後、皆でビアの車に乗りサンパウロはセントロ見物に行く。ビアが気を使ってくれているのが分かった。夜7時。ライトアップされた?セントロは奇麗?だった。マウロとアンドレアが代わる代わる観光名所を説明してくれる。途中、アサイ?というフルーツジュースを皆で飲む。フェジョンを薄めて甘くした感じ?4人でワイワイ話しをしながらたぶん一時間くらいぷらぷらする。

その後、ビアが家族と良く行くイタリア人街にあるイタリアンレストランでたらふくピザを食べる。これがまたしょっぱいんだけど、昼間汗をかきまくったし、夜になっても気温が29度あり汗をかきっぱなしだった事もありおいしく感じる。スペイン並びにブラジルも飯が塩っ辛いのは、こういう訳なんだ、と一人納得していたが、マウロがさらにピザに塩をかけて食っているを見て眼がまん丸くなる。ありえない。

今までの僕の人生について?やお互いの近況などワイワイ話をする。土曜日はフェジョナーダの日だから一緒に食べに行こうなどと約束する。フェジョナーダは、もともとアフリカから連れて来られた奴隷達の食べ物で、豚肉と豆を一緒に似たものと教えられて「長崎のちゃんぽん」を思い出す。フェジョナーダ。日本に帰っても作って食べよう大好物。昔の奴隷はおいしいものを食べていたのだ。干し肉を入れないとあの味が出ないと剛くんが言っていた。

イタリアンレストランから帰りの車の中も楽しかった。僕以外、全員ブラジル人なのでポルトガル語が頻繁に飛び交う。焼けに語尾に「ネ」を付けるのが気になり、「なんで?」と聞くと英語のisn't it?と同じ意味らしい。僕が「日本人も語尾に「ネ」を結構付けるよ」と言うと、一斉に一々「ネ」を付けて皆話しだす(笑)すると、いや本当にそれが異常に良く分からないポルトガル語を偉く親近感が沸くものに変えた。「オブリガードね」「アキ・クイダードね」「ラドロンね」「あ~、ベアトリスね」うん、かなり日本語と使い方が似ている。後、こっちで英語の「Hi」のような意味で「Oi・オイ」という。でも日本語の使い方でも全然間違いではないらしい。ウェイターを呼ぶ時にも「Oi」などと言う。あと若干使い方が違うが「イ~ッス」は「その通り」などの意味で使うらしい。それもまた日本語の「イイッス!」の使い方でも間違いにはならない。そんな話をしていたらいつの間にか仲間意識がより強くなっていた。

さあ車中で音楽をかけ始めると皆ブラジル人。ワイワイ車の中で踊りだす。僕だけのり遅れる。ビアの隣でマウロがビアをちゃかす。ビアがよそ見運転して前の車にぶつかりかけ事故りかける。隣のマウロがビアをちゃかす。次の赤信号でビアがにやっと笑い、わざと急ブレーキを踏みマウロにやり返す。車中、子供のような騒ぎとなる。日本人との付き合いも大好きだが、こうして外国人達と騒ぐのも楽しい。気がついたら茨城県人会の前についていた。いや、ブラジル人は本当に陽気な人達である。