シミ抜き 色直し | 加寿利屋“日誌”

加寿利屋“日誌”

こだわり抜いた趣味の呉服

わたくし3代目は、1級染色補正士の資格を持っておりまして、数年間の修行を終え、取得させていただきました。

時間の合間をぬって週に2日~3日はお客様からお預かりしたシミ抜きや色直しをしています。
まだまだ修行は足りませんが、、
コツコツこちらも頑張っております。


日々新しいことを発見します。
シミの成分や色直しの色作りから、ある程度色々なお着物をお直ししましたが、同じ物はないと言うほど1つ1つに様々な表情があります。





今回お預かりした着物は、結婚式に着て行こうとタンスを開けてみたらカビが発生していたという事でした。

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カビの発生した下の層には、以前着用された時のタンパク質の汚れが残っており、シミをつまむと硬さを感じます。

シミ抜きには色々な方法がありますが、私の学んだ直しの技術は、なるべく薬品は控え、石鹸系で漬けおきを繰り返す方法で、生地を傷めないようにシミを取り除いていきます。

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洗剤をつけ、





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少しブラシで揉むように、タオルにシミを落とします。





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このように古いシミから成分が落ちていきます。


生地が擦れないよう2回ほど繰り返し、タンパク質を分解する粉をつけ、タオルに挟み、15分~20分くらいつけ置きします。

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先ほど硬かったシミ部分も柔らかくなり、成分は除去できました。
成分を取り除くとどうしても色素も落ちてしまうので、その後は徐々に色を補正していきます。

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なんとか色が近づいてきました。
コツコツ色を差していきます。


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スッキリきれいになりました!


お客様に喜んでいただける顔を想像しながら仕上げに入ります。

このように、お直しや色替え等の報告も少しづつできたらと思っています。