祖母から孫へ | 加寿利屋“日誌”

加寿利屋“日誌”

こだわり抜いた趣味の呉服

「今ある着物を何とか孫に着させたい、相談にのって欲しい!」

と連絡があり、伺ったことがありました。



このような依頼は、この仕事をしていて、とても嬉しいことで、そう出来ることを知っておられる方も今は貴重な存在です。

着物の素晴らしさはそこにあると思っています。

お持ちのお着物をどのようにして蘇らせていくかをお客様と一緒に考えてる時の楽しさが、たまらなく好きなんです。



このような仕事(悉皆)をコツコツしていると色々な知識と知恵が磨かれていく。

この世界で味わえる楽しさの一つです。







拝見させていただいたのは可愛らしい小紋のお着物と、絞りのお着物でした。







どちらも数十年前のお着物ですが、それを感じさせない柄でしたので、きっと思い入れのある特別なお着物に変身すると思いました。






生地に痛みがないか確認しながら着物を解いていきます。







絞の着物の胴裏はカビで変色していたため新品に変え、他は洗い張りできれいにし、再生させます。





そして、小紋は被布にし、絞りの着物は多少成長してからも着られるように少し長めに仕立てをし、腰上げで調整できるようにさせていただきました。











被布の裏を悩みましたが、お店にある色々な残り布を見てみると、その中にとてもよく合う生地を見つけ、それを裏地に使用することになりました。


お客さまにも、この出来上がりに満足いただけたご様子でした。









七五三で着用された後も、「とても良かった」と報告をいただきました。

お孫さんにとってお気に入りのお着物になることを願って、、、







加寿利屋

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