藍染め | 加寿利屋“日誌”

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こだわり抜いた趣味の呉服

20代半ば、4年間藍染めの修行に行っていたことがある、藍は日本を代表する染色であり、その色にほれ込み会社を辞め門を叩いた。


天然藍は正直もので、少しでも天然繊維でない物が混ざっているとその部分は染まらないのです。縫製の糸が違えばそこだけ糸色はそのままなんです。

修行中、安い100%綿の表記があったTシャツを染めてみたらムラムラでまったく染まらなかったことがあった。

そのシャツは実際なんなんだ?と疑問が残った。

今となればその時の物は、、、納得です。


修行先では、毎年子供さんの下着を送ってくる方がいました。

その方のお子さんはアトピーがひどく、病院の担当医に「本藍で染色したものを着たらどうかな」と言われたようで、その下着類も染色していました。

この素材はもちろん綿100%の天然素材でした。

完治をされたかはわかりませんが、毎年お手紙をいただき「肌はきれいになり、痒がらなくなった」と聞いています。


中には古い藍色が出なくなった藍液を、体にいいとペットボトルに入れ飲む方がおられました。

さすがにびっくりしましたが、、


生きた本藍の力をいつも肌で感じていました。



本日紹介するのは沖縄の藍型(エーガタ)の帯です。

沖縄は琉球藍と言い、私のいたところの藍とは少々違いますが、藍色には違いはありません。

琉球藍はキツネノマゴ科で修行先ではタデ科でした。

沖縄は気候が暖かく育ちや色の出方がいいと聞きます。


今回の紹介する帯の生地にも注目して頂きたい。

生地は伝工士さんの長岡正幸さんが作られた(寄せ絹)と言う珍しい生地で、手触りは和紙のようで、非常に締めやすく、崩れにくい、風合いは最高です。









この生地を使って城間さんが藍型で作られた帯です。



この色彩が沖縄独特の色であり、花柄の部分は藍の花と呼ばれる部分で染められたと聞きました。藍の花とは常に藍甕の表面に浮いていて、通常はその花を一度外に出して染めることが多いのですが、その藍の花を使って染められたのを聞き驚きました。





何とも言えない最高の逸品です。







加寿利屋

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