はみべんマネージャーの佐藤です。
飲食店の「不採算店舗立て直し専門」コンサルタントでもあります。経歴はプロフィールページをご覧ください。
福島市にある「ラーメンショップ福島西店」は平成15年7月開業で、ご縁があって平成17年に私が経営を引き受けることとなりました。赤字の店舗でした。
赤字の店舗を改善する場合、売上を伸ばすか、経費を削減するしかないのですが、すぐに効果が出るのは経費の削減です。
人件費率と食材費(原価率)の目安として言われているのがのが、人+原=60%以内。
ラーメンショップは1日平均8万円の売上でしたので、人件費30%にしたいなら1日の総労働時間は24時間になります。朝の準備は9時からで営業時間は11時~深夜2時ということは、朝9時~深夜2時までで17時間なので、残りの7時間ではシフトが組めません。
そこで【人件費率を下げる】ために取り組んだのが、
①営業時間の見直し
オープン当初深夜2時までだったのを21時までの営業時間にしましたが売上は変わらず、むしろ微増し続けました。
営業時間を5時間短縮して売上が変わらなければ、人件費はもちろん、電気やガスなども削減されます。
また、深夜営業をなくしたことで従業員の精神衛生や防犯などの意味でもプラスになっています。
②券売機の導入
1日8万円程度の売上の場合、昼のピーク12時~13時は3名体制になりますので、券売機があるのと無いのでは大きく変わってきます。サービスの質(提供時間の短縮や下げものも素早くできるなど)も向上します。ただ、注意しなければならないのは、お客様の入店と退店に気づかないことがあること。レジがあれば「ありがとうございます」とすべてのお客様に言っていたのが、オーダー受けと提供が重なった瞬間にお客様が退店された時、もう1人がラーメン作りに集中していたりすると、どうしても見逃してしまうことがあります。
③オペレーションにおける優先順位の徹底
ラーメン屋のオペレーションで最優先は「ラーメンの提供」ですが(麺がのびてしまうので)、ピーク時3名体制の場合、1名が調理に専念し、2名が優先順位をもとに行動します。「ラーメンの提供」が最優先だからといって2~3個のラーメンを2名で運ぶ必要はなく、1名が提供にいれば、もう1名は「オーダー受け」「下げもの」「洗い場」の順位で行動します。優先順位を全員に徹底することで、相手の動きを見て自分が何をすべきかわかるようになってきます。
上記3つの改善で、オープン当初からの人件費比率を10%ダウンすることができました。
ただそこで何より大切なのが、一緒に働いてくれているスタッフに対する感謝の気持ちと、それに見合った待遇です。
10%ダウンできたのだからそれを何らかの形で還元しなければなりません。
経営の好循環は、働いてくれているスタッフを大切にすることからから始まります。
スタッフも実はお客様の一人で、口コミをしてくれる一人でもあります。
次回は、原価率削減の実績について紹介します。
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