「初恋のヒトに逢ってくるね」
『たくさん話しておいで』
って拓さんに見送られて出発♪
あまりにも緊張して
待ち合わせの駅に40分も前に到着してしまった。
どきどきどきどき。
たっちゃんから着信。
「着いたよ」
実に、10年ぶりに聞くたっちゃんの声だった。
感動。
思わず目頭が熱くなるくらいだった。
「どこらへんにいますか?」
「今、○○って書いてある看板の前にいるよ」
たっちゃんがいるらしい辺りを探してみる。
すると、
ちょうど、アタシと同じタイミングで電話をしている人が・・!!
たっちゃんだ!!
心臓が跳ね上がりそうになりながら、
「たっちゃん!!」
と、その人に話しかけた。
・・。
したら、
「はぁ~~??」
と怪訝そうな顔。
し、し、しまったーー
ヒト違い!!!!!
と、思ってると、
後ろからトントントンってされ、
振り向くと、
「相変わらずだね。」
って
今度は本物のたっちゃんがいた。
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たっちゃんは昔からカッコよくなかった。
だから別に期待はしていなかった。
していなかった。
していなかった・・・。
(TωT)
(TωT)
たっちゃん、メタボリック&リーブ21 になってた。
しかも、ちっちゃかった。
あれから背伸びなかったんだね。
いや、いいのさ。
別に。
中学生のたっちゃんをそのままオジサンにしたような感じだった。
いるよね。
中学生なんだかオジサンなんだか分からないヒトって。
うん。
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たっちゃんの外見に、少なからずショックは受けたけど、
念願の再会。
楽しい時間を過ごすぞ。
なんたって、憧れの初恋のヒトなんだから。
昼食を食べて、
カフェに行って、
3時間くらいお話した。
10年前のこと。
あの時、あーした、こーした。
実はこーだった、こーしたかった。
付き合ってから1回もデートしなかったね、
手すらつないでないしね、
携帯電話があったらよかったね、
アタシは、ずーっとたっちゃんに逢いたかった、
今日は逢えて本当に嬉しい、夢みたい。
23歳でパパになったんだ、若いね、
子どもの名前は?
何人ほしいの??
などなどなど。
楽しい時間だった。
話は尽きなくて、
なんか、たっちゃんに告白する前の
仲良かった時期に戻ったみたいだった。
そして、
アタシの用事の時間がきた。
お別れだなぁ
でも、今日は逢えてよかったなぁ。
また、いつか、
逢えることがあったらいいなぁ。
と、思った。
したら、
たっちゃんが、アタシの用事が終わるまで待つって言う。
アタシの用事は3時間くらいかかるからいいよって言ったけど、
「10年ぶりに逢えたんだし、
あの時果たせなかったデートをしよう。
大丈夫。
僕の終電は23時半だから。」
と、たっちゃん、言って聞かない。