今回は、並達1度の禁則について説明します。前回、並達5度、並達8度の禁則について説明しましたが、並達5度と並達8度で考慮に入れるパートは、ソプラノとバスでした。変わって並達1度の場合、考慮に入れるパートは、テノールとバスになります。

上の図が並達1度の禁則の例です。このパターンは、過去記事「和声学の基本的ルール」で紹介した通り、「声部の交叉」に相当するので、基本的に×となるのですが、唯一例外的に〇となるパターンがあります。次のようなパターンです。

上の図のように、Ⅴ→Ⅰの連結で、テノールが短2度上昇、バスが完全4度上昇する場合のみ例外的に〇となります。つまり、テノールが導音(シ)から主音(ド)に、バスが属音(ソ)から主音(ド)に移行する場合です。

 


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