昨日4/17(火)19時より、ACL GS最終節水原三星戦が行われ、

メンバー&評価はこちら。

GKスンテ 90分 5.5
プレー機会が少ない中でもリフレクションにもしっかり反応。キャッチに急いでいるのが気になる。調子が良い時こそキャッチに行くことで怪我やミスに繋がり易いため心配。失点は仕方ない。
CB犬飼 90分 5.5
身体を投げ出すタイミングが早すぎる。もう一つ我慢して、隙を突いて身体を入れることができれば鹿島のDF。ビルドアップの上手さは鹿島の可能性を一段階上げてくれそう。
CB昌子 90分 6.0
バタバタするチームにおいて落ち着きを出せる存在に。キック精度を生かして、もっと裏に蹴っていい。優磨に当てるだけがロングフィードではない。もったいない。
SB伊東 90分 5.0
攻守共に酷い内容。守備では簡単に千切られ、マークミスから失点。事前に長く相談していたようなわかりやすいトリックプレーにも騙された。得意のクロスも判断が悪く、繋がらず。
SB雄斗 90分 6.0
可能性を見せた試合に。SBの守備も慣れ、ビルドアップも良い縦パスを量産。受け手との意思が合ってくれば面白い存在に。あとはトラップの置き所を考えたい。セットプレーの精度も高かった。
CH健斗 90分 6.0
不満爆発。相手にも味方にも。それだけ頑張っている。中盤では孤軍奮闘。全ての役割を担うのはあまりにも負担が大きすぎる。
CH永木 90分 5.5
セットプレーキッカーとしてはかなり優秀。しかしなぜ前を向いてプレーできないのか。前を向かなければ攻撃陣にパスは送れない。いつまでもリンクマンでは困る。
SH金森 78分 5.5
いくつかの選択を迫られる狭い局面での判断が良くない。預けて前に走るしか選択がない。ならもっと裏に抜けていい。単純なパターンこそ身体能力の見せ所。
SH充孝 61分 5.0
厳しい出来に。時折魅せるようなアイディアを繰り出すも、周りと全く噛み合わず。守備も圧力に屈した。プレーにメリハリが欲しい。消えるなら消えるで遠藤のように一刺しある上手な消え方を。
FW→SH一真 83分 5.5
攻撃面では可能性の片鱗を見せつけた。ポストプレーも難なくこなした。必ず次へ繋がる。ただスタメンを狙うならプレスの質を高めなければ辛い。
FW優磨 90分 6.0
脳裏に浮かぶ苦しむ10番の背中。チームを回すため不甲斐ない2列目の仕事もこなしたが、得点まで挙げるところまでは行けず。チームにとっては不必要な時間も優磨の成長に繋がる痛みの時間となった。
SH→CH→SH聖真 29分 5.5
聖真が入って良い流れが出来たが、一列下がってから流れが相手に傾いたように、SHでの聖真の組み立てがチームにとって必要不可欠。もっと要求していい。
FW金崎 12分 5.0
気持ちだけではどうしようもないこともある。入ってから何を起こしたかと言われると何も起こせはしなかった。
CH満男 7分 -
期待された役割すら読めない起用に本人も戸惑い。
大岩監督 5.0
奇策を自ら愚策に変える消極采配で自滅。信頼すべきは自由ではなく決まり事。プライドよりも大事なものがある。今チームに必要なのはアーティストではなく公務員。

正直もっと酷い内容になるかなぁなんて思っていましたが、思っていたよりも守れましたね。

左右のサイドでやられてしまえばボコボコにされていたんでしょうけど、左は雄斗が頑張ってくれました。相手の速い7番に対してもコースを見極めながらディレイして、なんだかんだ1人で完結する場面も見られました。
例えば安西なんかで相手を疲弊させ、相手が交代なんかで対面サイドをリフレッシュされた時のオプションにできそうです。キッカーとしても良いボールを蹴っていましたし、今後出番がないこともないのかな、という印象を受けました。久しぶりの試合ということで重心は下がり気味でしたけど、そんな中でも惜しいクロスやミドルを放つなど、攻撃的な面でも良い流れが作って行けるのではないでしょうか。

また左サイドから左足で斜めに打ち込む縦パスもいくつか入れており、ビルドアップの観点からも周りとの息を合わせていければ面白い存在になるのかな、と。
ただ、縦パスを狙っている場所を先に決めておいてからそこに蹴り易い場所にファーストトラップを置いてしまうため、どうしても読まれ易く、近くにボールを置くタイプでもないため、高い位置を取っている時はプレッシャーを感じやすい傾向があります。深い位置から運びながら、自分の間合いを保ちながらプレーできる時は怖さすら感じさせるキーパスの雰囲気を持っています。
良いタイミングで斜めに真ん中にいた優磨に出したものの、繋がらなかった場面がありましたが、前の選手がトラップ前と同じ場所に常にいるわけではないため、そこで判断ミスがあれば危険なパスミスに繋がってしまいます。
置き方次第ではいくつかの選択肢を得ることができるようになりますから、この辺は修正すべきところではあるかな、と思いました。

犬飼もビルドアップという点で、現行のレギュラーとは違いを見せましたね。勇気を出して入れるようなプレーではなく、シンプルな選択をすることができ、無駄な横パスもほとんど見られませんでした。受け方が多彩というのは前にも紹介しましたが、持ってから一瞬判断できる時間を作ることができるのは強みですね。犬飼がいる時は、彼にボールが入った瞬間に周りが信頼して前に動き出しても良いんじゃないですかね。犬飼もまた面白い存在です。

最後尾のビルドアップはいつもよりも上手くいっていましたが、その先が手詰まりでした。
攻撃面でも普段よりも物足りなさが残らなかった(そもそもが物足りないのですが)こと、案外守れたのは雄斗と犬飼の良さが出たからです。彼ら2人は評価されて良いでしょう。

問題はそれより前。せっかく良い形で縦パスが入っても、反応できなかったり、トラップが乱れたり、優磨が落としても連動していなかったり、優磨を追い越す選手がいなかったり。
唯一、可能性を感じたのは縦パスを受けようとする優磨がスルーしたり、スラしたりして、縦に一真が抜け出す形。優磨金崎の2トップにはない形で、優磨の判断能力と一真のスピードが生きる良いプレーでした。

一真は攻撃面ではジョーカーとして計算できそうでしたね。既に自分の良さとできないことをわかった上でプレーしています。攻撃に関しての頭の良さも見せていました。走るラインが的確。あれは出し手からしたら出したくなりますね。一真も今後も出番はあるでしょう。

采配に少し触れましょう。
充孝→聖真。これは効果がありました。早々に縦の仕掛けからチャンスを作りましたし、何より彼がいることでチームが回ります。この役回りは替えが効かないですね…。
次が賛否両論の永木→金崎からの聖真のCH。攻撃に転じたい展開の中で、DF陣のビルドアップが上手く行きながらも、CHのところからの攻撃イメージが少なく、前を向く、縦に行くといった点がなかったことから、このプレーが得意で、守備意識も高い聖真をCHにしたところは理解できます。慣れないポジションで少しバランスを気にしすぎてしまっていたことで正直機能したとは言いづらいですが、奇策として悪い手ではなかったと思います。

しかし問題はこの5分後。SHに入っていた一真に代えて満男を選択。聖真をSHに戻し、バランスを整えに走りました。これがいただけない。FC東京戦の二の舞のような消極采配。何を目的としてバランスを整えたのかわかりません。
引き分けを狙って1得点を奪いに行く采配ではなく、0-1の状況で自ら攻撃に転じた5分前の交代をフイにしました。悪手です。

やるならやる、やらないならやらないで、聖真、金崎という主力を温存せずに得点を奪いに行った時点で、観ているこちら側からしたら首位突破を決めに行く采配なんだという認識をした矢先のバランスを重視した采配。この試合を明け渡したばかりか、主力を温存することも失敗する結果となりました。

ただある意味では鹿島は鹿島でした。おそらくスタートから主力を使っていてもこの試合展開と同じような展開になっていたと思います。結局満男、篤人が抜けたらリズムを変える選手はいませんし、聖真がいなければチームは回らず、それでも鹿島デルタが抑えていたでしょう。

この先もこのままならば何も変わることなく試合を消化して行くだけでしょう。
何かを変えるならば、現実的な戦い方に切り替えること。CWCの鹿島を取り戻すこと以外にないでしょう。特に守備面に関しては、サイドに奪いどころを設定し、前から連動したプレスで相手をサイドに寄せてから数的優位を生かして狩っていた石井政権の守備を取り戻すべきです。
ただ走るだけのプレスでは相手に剥がされ、結局鹿島デルタが狩らなくてはならず、攻撃も深い位置からのスタートになります。少なくともここを整理しなければ良い守備にはならず、良い守備ができなければ良い攻撃には繋がりません。

怪我人が多いは言い訳で、メンバーが変わってもある意味では主力と同じサッカーをしています。じゃあ何が悪いのかとなると、自由という言葉への甘えでしょう。ある程度の約束事はチームにとって必要です。いくら個人能力で殴れるメンバーがいても向かうベクトルが違えばチームにはなりません。

川崎戦には満男、篤人、聖真が戻って来て、少しはまともなサッカーにはなるでしょう。それでも名古屋戦の戦い方に+αがなければ良い戦いになるかどうかも怪しいところ。

同じ屈辱なら前任者のやり方であっても、プライドもかなぐり捨てて、良い戦いをしてもらった方がサポーターは納得するでしょうね。

やるべきことは明確なはず。それをやるかやらないか。やれば、石井政権下にはなかった攻撃の連動もありますから、鹿島アントラーズとしても前に進めるでしょうし、特にACLに関しては陽の目があるはずです。

大岩監督の判断がどう出るか。
変える、変わるならばこのタイミングがラストチャンスかもしれません。