御笠川の神功皇后を訪ねて
 
11月3日(土・祝)のJRウォーキング大野城駅です。 正式のコース名は「秋風感じる御笠川リバーサイドウォーキング」ですが・・・うっちゃん的には、「御笠(みかさ)」と言えば神功皇后につながりますので標記ブログ名にしました。。 コース距離は6kmと短いけど、神功皇后の足跡を探してみようと思います。
 
 鹿児島本線鳥栖行きに乗って、10時15分に「大野城駅に到着。
 
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 ルービックキューブを組み合わせた様な橋上駅です。 写真は東口で、階段を下りた所でスタート受付でした、 この駅は春日市との境に位置していて、西口に出て道路にでると春日市になります。 
 
 コースマップを確認して出発です。
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東に歩くと、西鉄大牟田線の「白木原駅」の線路を渡ります。 JR大野城駅も開設された時(昭和36年)は「白木原駅」と呼ばれていました。  数百メートルの距離の中に、二つの「白木原駅」が存在していたのです。 国鉄民営化のあとに「大野城駅」と改称されています。
 
                             消防ポンプ格納庫 
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 日本に於いて、組織としての消防団は明治27年(1896年)に設置されました。 当初は木造の「消防ポンプ格納庫」が建てられていたのですが、大正末期、白木原5丁目に新しく赤煉瓦造りで建築されました。 道路整備に伴い、市民の希望で、この地に解体移転されたのです。 大正を感じる趣の建物です。 
 
「消防ポンプ格納庫」から県道112号線(福岡日田線道路)に出て、大野城市役所に向かいます。
 
 大野城まどかぴあ」と隣の市役所敷地内では、毎年恒例の一大イベント「大野城市まちづくり産業展」が催されていました。 
            
                        大野城市まちづくり産業展   
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産業展」は市内産業の紹介・発展を目的としていますが、市民の文化活動を紹介する「まどか文化祭」も同時開催されています。 
 
 
大野城市役所」からコースを北に取り、御笠川(みかさがわ)に向かいます。
                                      御笠川 
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 御笠川に架かる「筒井橋」の上から撮りました。
 
筒井橋」を渡り左(西)に折れると、次の橋が「笠抜橋」(印)です。 何故か神功皇后の「」を強く感じ始めました。 神功皇后が橿日の宮(香椎宮)から熊襲征伐に向かう途中、この地で、つむじ風が皇后のを吹き飛ばしたのです。 この話は日本書紀に書かれていて、「御笠」の由来です。 明治29年(1896年)まで、この地は御笠郡でした。 
 
さて、皇后の笠は風に乗って北へ飛んで行き、森の中の楠の枝にかかります。 その森は、後ほど訪ねますが・・・土地の人は皇后の笠がぬげた場所に「笠抜ぎ」という地名をつけたのです。  「笠抜橋」(印)にその名が残っていますが・・・実際に笠が飛んだ場所は・・・うっちゃんは県道近くの印辺りではないかと思っています。 県道112号線(福岡日田線道路)は旧3号線ですから、古代より重要な道路として使われて来ました。 駕籠に乗った皇后もこの道を通って行ったと思われます。
 
                           御笠川・牛頸川・平野川フェスタ  
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 御笠川・牛頸川・平野川フェスタ」は大野城市まちづくり産業展」に合わせて主催されているイベントで、11月4日(日)に実施された清掃活動です。 30年近く開催されていて、市民・学校・各種団体の皆さんが大野城市を流れる三つの河川の清掃活動を行い、環境美化の推進に努めています。 素晴らしいことです。 平成25年、環境大臣地域環境美化功績者表彰を受賞しています。 
 
 秋の気持ち良い日差しの中、御笠川右岸の土手を歩きます。
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 宮添井堰(みやぞえいせき)に到着。 井堰とは農業用水を確保するために川の水量を調整する目的で造られているようですが、うっちゃんはその構造が良く解りません。
                             宮添井堰(みやぞえいせき)   
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 御笠川右岸の土手の一角に「宮添井堰(みやぞえいせき)の碑」が建っています。
 
                        宮添井堰(みやぞえいせき)の碑 
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碑の横に「人柱伝説」の説明板が立っていたので読んでみます。 毎年の大洪水によって井堰が流され、村人は困っていました。 「人柱をたてると壊れない」という言い伝えを聞いた村の庄屋・甚兵衛は、自ら犠牲となって人柱になったそうです。 その後、宮添井堰大洪水にも壊れることはなく、村人は甚兵衛さんに感謝の涙を流し、みんなで協力しあって豊かな村にしたそうな。
 
 御笠川右岸から左岸に渡り、西鉄自動車学校横の土手を歩きます。
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大野城市には幾つかの「宝満神社が鎮座しています。 主祭神は初代神武天皇の母君である玉依姫(たまよりひめ)です。 志賀島の海人族・阿曇氏の守護神である綿津見大神の次女になります。 大野城市には、その玉依姫のお墓(御陵・ごりょう)があるのです。
 
 次の写真はコースマップの印の地点から川向こうの都市高速の方向を撮っています。
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井野山と乙金山の間の峠の先は宇美町です。 都市高速の向こう側の矢印⇒の辺りに御陵(ごりょう)の名前が付いた「御陵宝満神社」が鎮座しています。 ここが玉依姫のお墓です。 隣は大野城市立御陵中学校です。
 
       御陵宝満神社                                    御陵中学  
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神功皇后は大和から橿日の宮(香椎宮)に向かう途中、神武天皇が東征の折り寄ったとされる黒崎の岡田神社で戦勝祈願をされています。 よって、熊襲征伐に向かう途中、この地の玉依姫のお墓(御陵・ごりょう)にも立ち寄ってお参りしている筈です。
 
玉依姫神功皇后は誓約(うけい・祈りの神事)によって、姉妹の誓(ちか)いをしています。 神功皇后は朝鮮半島三国(新羅・百済・高句麗)との国交成立の成功は、玉依姫の祈りのお陰だと信じています。 皇子(応神天皇)を身篭っていた皇后は、出産場所は玉依姫のお墓がある「御陵宝満神社」と決めていたのです。
 
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① 橿日宮香椎)を出て、粕屋村、志免村、② 宇美村を経て・・・そして、井野山と乙金山の間の峠を越えて③ 御陵宝満神社に着く予定でした。 ところが3km手前の宇美で陣痛が始まり、止む無く、 宇美八幡宮の地に産所(うぶしょ)を作って出産したのです。 これはうっちゃんの仮説です。  「神功皇后伝説
 
皇后は御陵宝満神社」の玉依姫に戦勝祈願をした後、県道112号線(旧3号線)の道まで戻り、先を進もうとした時に印で笠を飛ばされたのです。 皇后の笠は風に乗って舞い上がり、今来た道を戻った場所にある小さな森の中に落ちました。
 
 その森が「御笠の森」と呼ばれ、市の有形民俗文化財に指定されています。
                               御笠の森  
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」となっていますが、その広さは住宅2~3軒分の敷地といったところです。 説明によると、この森の楠の枝に引っかかったようで、お供の者が取ろうとしますが、高くて取れません。 
 
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事情を聞いた村人達が「森の神様にお願いしよう」と舞を奉納したのです。 すると、笠のひもがするするっと解けて、落ちてきたそうです。 
 
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宝永6年(1709年)に貝原益軒が編纂した「筑前国続風土記」の中に、「御笠の森」のことについて「昔は大木多くありて、茂れる林なりしが、今はむかしの森のしるしとて、楠二株残れり」と書かれています。
 
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 森の中の木々を見ても、貝原益軒が記した「楠二株」がどれかも分かりません。 ただ、江戸時代に「御笠の森」の場所が特定されていたことは間違いないことで、現在の森は、それ以降に植栽された木々なのでしょう。 万葉歌碑が建っていて、大宰府の役人が詠んだ歌が刻まれています。
 
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 昭和25年に撮影された「御笠の森」です。 周りは一面、稲の水田です。 この地から数キロ西が須玖岡本遺跡が発掘された奴国の丘です。 と言うことは、神功皇后時代もこの一帯は水田だったと考えられ・・・村民が祠を建てて豊作を祈っていた小さな鎮守の森に、笠が引っかかったのではないでしょうか。 
 
写真と同じような水田風景の中、手前の道を武内宿禰を先頭に神功皇后を総大将とする大和朝廷の大軍が進んでいます。 そんな想像をするのが浪漫です。
 
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御笠の森」をあとに、ゴールの南福岡駅に向かいます。 途中、西春町の桜並木です。 桜の葉が赤く紅葉していて綺麗でした。
 
                南福岡駅ゴール受付  
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昼前にゴールしましたが、今日は午後も予定が入っていますので、このまま直行で帰ります。 JR九州ウォーキングスタッフの皆さん、お疲れ様でした。
 
うっちゃんのJR九州ウォーキング
 
           うっちゃんは飲酒運転ば絶対に許さんばい
 
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