地下鉄西神線の民営化は充分、実現可能です。 | かしのたかひとマインドマップ

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樫野孝人のブログ

地下鉄西神線の民営化は充分、実現可能です。

ある候補が地下鉄民営化は絵空事だと言っていましたが、
10月3日の記者懇談会でも説明したように
地下鉄民営化が実現可能な理由を説明します。

その候補の「出来ない理由」は以下です。
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地下鉄の単年度収支は、西神山手線が約52億円の黒字、
海岸線が約60億円の赤字、全体で約8億円の赤字です。
企業債残高は、西神山手線分が約600億円、海岸線分が約1360億円、
全体で、約1960億円、おおざっぱに、約2000億円です。

西神山手線を売却して民営化するとしますと、西神山手線の企業価値は、
約1200億円程度と見込まれます。
仮に、売却しても800億円の債務が残ります。
一方、海岸線は、単年度の赤字が60億円、企業価値もマイナスで、
引き受け手が現れることはあり得ず、売却は不可能です。
仮に、西神山手線を売却できたとしても、海岸線単独では、
800億円の債務償還の目処がたたず、この債務償還をしながら、
事業を継続するためには、大幅に値上げをするか、
最低毎年15億円程度の市税投入による市民負担が必要になります。
仮に、乗客数の増で賄おうとすると、現行の3倍以上の乗客(4万人→13万人)が必要であり、これは現実的ではありません。
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1、 まず支払金利についての観点が抜け落ちています。
両線で年約42億円の金利支払いが発生していますが、
  1200億円で売却すると、約26億円の支払い金利が削減出来ます。
  年15億円の市税投入(ランニング赤字5億円+債務償還10億円)が
  必要になると言われていますが、金利削減分だけでも
  お釣りがくるのではないでしょうか。

2、 海岸線には既に年約22億円の補助金が投入されています。
その候補者は15億円の市民負担が必要になると書かれていますが、
既に年22億円の補助金が投入されていることをどう考えているのでしょうか?

3、 ランニング収支で5億円の赤字はあくまで現在の乗客数の前提です。
  ご自分でも書かれているように、需要喚起により両線8億円の赤字が解消できるなら
  ランニング収支5億円の赤字解消は楽なはずです。
  
それ以上にその候補者のブログで私が驚いたのは、

  「しかし、市役所でのこれまでの取り組みは、十分とは言えません。
  私が副市長をしていたときも、海岸線に関して、抜本的な乗客増対策についての
庁内会議が開かれたことはありませんでした。
先輩たちが残した大きな市政課題であるにも関わらず、
根本的な問題解決策が見当たらないので、誰も触れたがらないような
雰囲気が見られたことは残念でした。」

・・・・だったら、副市長がその話題に触れ、
庁内会議を開けばいいのではないでしょうか?

ちなみに、私は需要喚起による乗客数増について
8月9日の記者会見で、新長田への役所一部移転、ノエビアスタジアム活性化、
中央卸売市場&兵庫津プロジェクト、三宮再開発、沿線への企業誘致をもって
乗客増を図ると既に発表しています。

その候補者が9月25日に書いた需要喚起策とかなり似ていますが(笑)、
それはともかく、私の需要喚起策が新長田への役所一部移転だけのような表現は
事実誤認ですので止めていただきたいと思います。

4、 運輸収入以外の収入増もあることを忘れていませんか?
  西神線のその他収入は20億円、海岸線のその他収入は1.6億円。
  当然、乗客増が図れれば、その他収入も増加します。
  また民間が取り組んでいる駅ナカ事業などを推進すれば
  更なる増収が見込めるのは間違いありません。
  西神線の20億円についても、民営化すれば
更に増収を見込めると私は思います。

5、 西神線の売却額を1200億円と仮定しましたが、上振れもあります。
4)で書いたように、西神線を民営化することで、広告事業、駅ナカ事業の
利益は市役所経営時代より大きくなる可能性が高いです。
国鉄はJRになり、経営体質が変わり、収益力が格段に変わりました。
更に私鉄各社の平均給与より高い今の人件費が
民間並になれば約10億円の利益増が見込め、売却額は当局の計算でも
120億円は増加するでしょう。ここでも数億円の金利削減が生まれます。


地下鉄西神線の民営化、株式売却は充分、実現可能だと思います。
要するに、出来ない理由を考えるか、実現するための方法を考えるか、
の違いです。