皆様お久しぶりです。初期研修医1年目の川口です。

 

最近は研修の方が忙しい上に、CPC(臨床病理検討会)の準備や、ポートフォリオ準備、循環器学会地方会の準備や、EPOC2レポートなどで忙殺されていました。休む暇もなく流石にきつくなってきましたが、書かせていただきます。

 

水俣健診の開催場所は水俣協立病院でした。鹿児島からですと高速道路西回り道路終点の出水ICを左折し、つきあたりを右折し国道三号線に入ります。そのままずっと行くと、ポツンとあります。注意深く観察しないと見逃すような病院です。

 

水俣協立病院のほぼ正面にチッソ株式会社(現JNC株式会社)があります。

よく勘違いされるのですが、登記上の事業所は大阪市北区中之島、本社は東京都千代田区大手町にありますので、水俣市にあるのが本社ではありません。

               

             JNC東京本社                                       JNC大阪事業所

 

そしてこれが↓JNC水俣工場

非常に大きいです。チッソを中心とした直線的な区画が存在し、まさに「チッソを中心に街ができた」といっても過言ではないでしょう。

だが1954年8月1日の熊本日日新聞に「ネコ100余匹が次々と狂い死にした」と報道されこれが水俣病の始まりとされています。

同年、熊本県水俣でのちに水俣病と認定された患者が12人発生。ほかに5人死亡という事態になりました。

そこから社会問題~裁判に至るまで多くの方々が健康被害を被り亡くなりました。四大公害病と学校で習うものです。

 

その会社の公害問題に真向から立ち向かったのが今回の診療所です。

 

さて、水俣病健診は5名の先生が15人の診察を行います。

「少なすぎるのでは?」と思われるのですが、診断書は裁判での重要な文章になりうるため、とにかく文句がつけられないように確認する必要があります。(神経所見と、斜線で引いた部分がちがうのでは?住所があっているか?など)

 

文章の確認に1時間、診察に1時間かかりますので、一人当たり2時間かかる計算になります。それを3人分行います。

 

とにかく大変な検診ですが、のべ6人目(2回目の参加)にして一人で診察する機会をえました。神経所見は自覚所見に依るところが多く評価が難しいです。質問の仕方、診察の仕方などをいかに「同じ条件で」行うかが大切です。

 

のべ6人目の診察は完ぺきとは程遠い診察でありました。次回の検診ではさらに問診に磨きをかけていこうと思います。

 

※新型コロナウイルスのため、再度中止になっています。2022年2月22日の段階では再開のめどは立っていません。