大腸ポリペクトミーすることで大腸がん発症を減らすことができるのか?(NEJM:1993) | レジデントたちのモノローグ

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こんにちは。元・奄美中央病院勤務、元・後期研修医の酒本です。

 

今月から消化器グループで論文抄読会を始めました。

週1回のペースで行っていく予定です。

今回は自分が担当で、テーマは「大腸ポリペクトミーすることで大腸がん発症を減らすことができるのか?」です。

大腸ポリペクトミーが臨床的に施行されるようになったベースになるエビデンスを探してみると、この論文に行きつきました。

 

Prevention of Colorectal Cancer by Colonoscopic PolypectomyNEJM1993

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJM199312303292701?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dwww.ncbi.nlm.nih.gov

 

介入群はTCFを施行してすべてのポリープを切除(clean colon)にした状態で数年後の大腸癌発症率がどうなるのか、を観察しています。

比較群として注腸でポリープがあるも切除を拒否した人たちの集団を経過観察した群や米国平均人口における平均の大腸癌発症率と比べたものです。

結果は「CFで大腸ポリペクトミーを施行してclean colonにした群がもっとも大腸癌の発症リスクが低い」という結果でした。

 

批判的吟味として、介入群は観察スタート時点で大腸癌の人たちを除外しているため、大腸癌のリスクが低い集団を観察していることになり、単純にポリペクトミーによる効果なのかどうかががはっきりしない点です。

 

本来ならRCTでポリペク群と経過観察群に分けて研究すればある程度はっきりするのですが、いまさらそのような研究は倫理的にも組むことが出来ないので、本当にポリペクトミーが有効かどうかのエビデンスに関しては、永遠のテーマといったところでしょうか。