胃内視鏡検診は受けたほうがいいのか?有効性はどの程度なのか?(パート2) | レジデントたちのモノローグ

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こんにちは。永遠の後期研修医●●です。

 

次回の医局学習会で行う予定の内容です。

以下が韓国から出たコホート研究の文献の要約です。

 

<Original Article>

Cancer Research and Treatment : Official Journal of Korean Cancer Association 2018; 50(2): 582-589.

Published online: June 9, 2017

 

Effectiveness of Gastric Cancer Screening on Gastric Cancer Incidence and Mortality in a Community-Based Prospective Cohort

胃癌スクリーニングの胃癌の発生率および死亡率のコミュニティベース前向きコホートにおける有効性

 

<Abstract>

Purpose

This study was performed to investigate the effectiveness of gastric cancer (GC) screening methods in a community-based prospective cohort of the Korean Multi-center Cancer Cohort (KMCC) with over a 10-year follow-up.

この研究は、10年間のフォローアップを有する韓国の多施設共同ガンコホート(KMCC)の共同体ベースの前向きコホートにおける胃癌(GC)スクリーニング方法の有効性を調査するために行われた。

Materials and Methods

A total 10,909 and 4,773 subjects from the KMCC with information on gastroendoscopy (GE) and upper gastrointestinal series (UGIS) were included in this study.

胃内視鏡検査(GE)および上部消化管X線検査(UGIS)に関する情報を有するKMCCからの合計10,909人および4,773人の被験者がこの研究に含まれた。

Cox proportional hazard model adjusted for age, sex, Helicobacter pylori infection, cigarette smoking, and alcohol drinking was used to estimate the hazard ratios (HRs) and 95% confidence interval (CI).

ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定するために、年齢、性別、ヘリコバクターピロリ感染、タバコ喫煙およびアルコール飲料を調整したCox比例ハザードモデルを使用した。

Results

The GE screened subjects had almost half the risk of GC-specific death than that of unscreened subjects (HR, 0.58; 95% CI, 0.36 to 0.94).

GEスクリーニング被験者は、非スクリーニング被験者よりも、GC特異的死亡リスクの約半分(HR、0.58; 95%CI、0.36〜0.94)であった。

Among the GC patients, GE screenees had a 2.24-fold higher survival rate than that of the non-screenees (95% CI, 1.61 to 3.11).

GC患者のうち、GEスクリーニーは、非スクリーニ(95%CI、1.61〜3.11)の生存率より2.24倍高い生存率を示した。

In particular, GE screenees who underwent two or more screening episodes had a higher survival rate than that of the non-screenees (HR, 13.11; 95% CI, 7.38 to 23.30).

特に、2つ以上のスクリーニングエピソードを受けたGEスクリーニーは、非スクリーニーの生存率よりも高い生存率を示した(HR、13.11; 95%CI、7.38〜23.30)。

The effectiveness of GE screening on reduced GC mortality and increased survival rate of GC patients was better in elderly subjects (≥ 65 years old) (HR, 0.47; 95% CI, 0.24 to 0.95 and HR, 8.84; 95% CI, 3.63 to 21.57, respectively) than that in younger subjects (< 65 years old) (HR, 0.66; 95% CI, 0.34 to 1.29 and HR, 1.83; 95% CI, 1.24 to 2.68, respectively).

GC患者のGC死亡率および生存率の低下に対するGEスクリーニングの有効性は、65歳以上の高齢者(HR、0.47,95%CI、0.24-0.95およびHR、8.84,95%CI、3.63〜 (HR、0.66; 95%CI、0.34~1.29およびHR、1.83,95%CI、それぞれ1.24~2.68)が、65歳以下の若年者よりも、高かった(それぞれ、21.57)。

In contrast, UGIS screening had no significant relation to GC mortality and survival.

対照的に、上部消化管X線検査UGISスクリーニングはGC死亡率および生存率とは有意な関係がなかった。

Conclusion

The findings of this study suggest that a decreased GC-specific mortality and improved survival rate in GC patients can be achieved through GE screening.

この研究の結果は、GCスクリーニングにより、GC患者のGC特異的死亡率の減少および生存率の改善が達成できることを示唆している。

 

(この研究の集団は50~70才ぐらいで平均60才ぐらい)

 

GEスクリーニング群で胃癌発生率が高い傾向にあり、全原因死亡率および胃癌死亡率は低い。

また胃癌患者の生存率も高い。(胃内視鏡検診の有効性はある)

 

GEスクリーニング群で、スクリーニング回数を増やしても胃癌発生率および胃癌死亡率には有意差はなし(1回と2回以上の差はない)。

ただし胃癌の患者の生存率は2回以上が高い。(内視鏡検診は生涯1回だけ受けて何度も受けなくてもいいかもしれない)

 

GEスクリーニング群と非スクリーニング群を比べたときに65歳以下では有意差なし。65歳以上で有意差あり。

(検査は65才以上で受けたほうがよい?)

 

胃炎の有無でサブ解析すると、胃炎がなかった群はスクリーニングの有無で胃癌死亡率に有意差はなし

(胃炎のある人は胃癌死亡率を減少させるが、胃炎がなければ胃癌死亡率を下げない)

 

<考察>

1、胃内視鏡検診による胃癌死亡率減少効果は30~50%程度と言われており、今まで予想されていたものと概ね合っている。

2、ただしこの研究における胃内視鏡検診を受けることでの胃癌死亡率減少に比べて全原因死亡率減少効果が大きすぎる(後日のブログの計算を参照)。別の大きく影響するバイアスが存在する可能性あり(健康に対する意識が高く、健康に気をつかっていたり、他の検診を受けることで全原因死亡リスクを減少させているのかもしれない)

3、スクリーニング回数を増やすことで胃癌死亡率減少効果が見られないのは、2回以上検査を受ける集団は、1回受けて異常がなかった人たちと予想されるし、その人たちは別の見方からすると胃癌リスクが低い人たちの集団であるともいえる)

4、よってこのデータからすると65~70歳ぐらいの年齢の時期に1回だけ胃内視鏡検診を受けるといいのでは?と思われる。

 

以上からする胃内視鏡検診は受けたほうが良さそうな感じである(検査は辛いけど・・・)。

 

では胃内視鏡検査で約50%胃癌死亡率減少効果があるとすると、予後の改善はどの程度になるのか?

これについて次に検証してみます

 

(パート3に続く)

 

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