●●先生に対する返書(LDL低下治療に関する点について) | レジデントたちのモノローグ

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鹿児島民医連の研修医ブログ。
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お疲れ様です。奄美の○○です。

スタチンの有用性についてよく議論しましたよね。

懐かしい思い出ですね。

では自分が分かる範囲での批判的吟味をしたいと思います。

 

①NNTが大きい(絶対リスクの低下が少ない)

 約4年間の介入で、全原因死亡でNNT:163、心血管死でNNT:154なので、個人的には有効性の差はそこまで大きくはないと考えます。また下記の問題があり、この程度の差であれば別のメタ解析で結果は覆る可能性があると考えます。

 

②心不全と透析を必要とする末期腎不全の患者を除いている点が非常に気になる

 2004年以降のスタチンの研究で有意差が出たのは、あの悪名高いJUPITER試験ですが、それ以外はスタチンの有用性を証明したRCT研究はないと思います。その中で下記3つが有名です。

 4D  German Diabetes and Dialysis Study (一次予防)

血液透析を受けている2型糖尿病患者において,HMG-CoA reductase阻害薬atorvastatinの心血管イベントに対する有効性を検討した研究

 GISSI-HF Gruppo Italiano per lo Studio della Sopravvivenza nell'Infarto Miocardico Heart Failure(一次予防)

症候性の慢性心不全患者において,HMG-CoA reductase阻害薬rosuvastatinの有効性を検討した研究

 CORONA  Controlled Rosuvastatin Multinational Trial in Heart Failure (一次予防)

高齢の虚血性収縮不全患者において,現行治療へHMG-CoA reductase阻害薬rosuvastatinを追加した場合の心血管イベント抑制効果を検討した研究

 メタ解析はどんな文献を選んでくるかで結果が大きく左右されます。前述の心不全や血液透析を受けている末期腎不全のスタチン投与の有用性は証明されていないので、それらの文献は除外されることとなるので、当然結果は統計学的有意差が出る方向に傾きます。

意図的でなければいいのですが・・・

 

③エビデンスが明らかであるスタチン以外の薬剤も含まれているので解釈に迷う

結局のところLDLコレステロールを下げるのであればスタチン以外の薬剤でもいいのか?という問題が残されています。

 

上記を踏まえると文献の意図するところは、二次予防としてスタチンの高用量投与を(保険診療の範囲内で、かつ忍容性があれば)行う、ということになるかもしれません。

 

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