何気なく見上げた夜空で、偶然に出合っためずらしい流れ星を2つ紹介します。
1つ目は、生徒を連れて夏期合宿に行ったときのことです。
山の中腹にある、当時はラドン温泉が売りのホテルに宿泊していました。
ある日、眼下の白樺湖で行われる花火大会を見るために、生徒を連れて近くのスキー場の夜のゲレンデまで行きました。
しばらくはその花火大会を楽しんでいましたが、足元に小さくしか見えない花火に、私はすぐに飽きてしまいました。
そこで、頭上の雲の合間に見え隠れする『 夏の大三角 』を観察し始めたときです。
明るい星がスーッと流れるのが見えました。
“流れ星” と、すぐに目で追い始めた瞬間、それはうずを巻くように2、3回転してすぐに消えたのです。
「今の、見た?」
と近くの何人かの生徒に聞きましたが、やはり花火に夢中で誰も見ていなかったようでした。
もしこれを見た子がいれば、
「すごかったねえ!」
などと話し合い、感動がより増すはずだったのですが…。
まるで、体操競技の跳馬を見ているような流れ星でした。
きっと燃え始めてから間もなく、一部が破裂するなどして、こんな流れ方になったのでしょう。
すぐに目で追えたことで、私の記憶の中に “ゼンマイのようにうずを巻く明るい流れ星” として残ったのではないかと考えられるのです。
もう1つは、長野の実家に子供達と帰省していたときのことです。
このときも『 夏の大三角 』などの星座を見よう思い、1人で庭に出ていたときのことです。
2つの流れ星が平行線を引くように明るく流れていきました。
一瞬、目をうたがうほどの迫力と見事さでした。
きっと、1つの大きな流れ星が地球の大気の中に突入したとき、真っ二つに割れ、それから燃えて光ったのでしょうか。
きれいな平行線となり、明るく光っている時間もぴったりと重なっていたのです。
どのくらいの確率で、こういった流れ星になるのかはわかりませんが、この2つの流れ星を見ることができたことをとても幸運に思います。
しかしそれと同時に、これ以上の流れ星にはもう二度とお目にかかれないのではないかとの思いもあるのです。
きっと、こんな複雑な気持ちにさせるのが流れ星なのでしょうか。 〔 カーネル笠井 〕