スギ花粉の飛散がピークを迎えています。

そして、私の花粉症も、今年で30周年を迎えているのです。

 

心躍るはずの早春も、このせいで憂うつになっています。

でも、幸いなことに、私の花粉症はスギ花粉だけで、ヒノキやブタクサなどの花粉には無反応なことです。

症状は、毎年暦が三月に変わるのとほぼ同時に始まり、ソメイヨシノの開花とほぼ同時に終息するのです。

どうも、気温と空気の湿度が関係しているように思えます。

 

症状がひどいときには、目には眼球を取り出して水洗いしたいと思うほどのかゆみがありました。

くしゃみが出始めると、十数回も止まらなくなり、鼻水は、気が付かないうちに水のように流れ落ちます。

鼻水というよりは、鼻から水がしたたり落ちる、といった感じです。

 

花粉症が始まった頃には、まだ周りに花粉症だと言う人は少なく、マスクをするのにも抵抗がありました。

でも最近は、花粉症の防衛のためにマスクをする人も多く、遠慮なくできるようになりました。

 

15年程前、一向に良化するきざしのない症状に業を煮やし、『花粉のアレルギー反応は、花粉に含まれるタンパク質を体が外敵とみなし、過度に反応することで極度の免疫反応を起こすのではないか』と、考えるようになりました。

それなら、スギの花粉を口から食べることで、体に花粉が外敵でないと判断させることができるのではないかと考えました。

そこで、早速スギの花粉を取ってきて、お茶にして飲むことを実行したのです。

 

スギの花粉は、わずかな記憶を頼りに、高尾山の横の小仏峠のふもと辺りで採集しました。

二月の始めでしたが、スギの雄花はオレンジ色に染まり、指先でつつくと黄色い花粉の塊がボトッと落ちるほどでした。

この量の多さには、びっくりしました。

 

取ってきた花粉は、雄花のたくさん付いた枝ごとお湯に入れてしばらく煮てみました。

すると、すぐにお湯の色は真黄色になりました。

少しためらいながらも飲んでみると、意外と飲み易いのです。

飲んだあと、すぐに頭がスッキリとする感覚がありました。

花粉取りに一緒に行った妻も、そのお茶を飲んで『何だか頭がスッキリしたみたい』と、同様の感想を漏らしていました。

 

花粉症は、スギ花粉茶を続けているうちに、大分和らいだのです。

 

現在の私の花粉症は、まず眼のかゆみから始まります。

それが始まったら、1日に3~4回目薬を点して洗い流すことで対処できます。

それと同時に、外出時にはマスクを着用し、風呂に入ったときには必ずシャワーで鼻の穴を洗い流します。

室内でマスクをする必要もなく、この程度で対応できるようになったのはかなりの進展なのですが、やはり完治することを望んでしまいます。

 

スギ花粉茶は体に無害だと思いますが、スギの雄花の取り扱いには要注意です!

しっかりとビニル袋に入れて密閉しておかないと、すぐに花粉症の症状が現れてしまうからです。   〔 カーネル笠井 〕