数年前の秋の夕方のことです。

私の言う事を聞かず、なかなか勉強に取り組まない小学3年生の息子とけんかして、

 

「今日はテレビはいっさいつけないから!」

 

などと宣言してしまいました。

 

息子「ぼくはにぎやかなのが好きなのに、これじゃあかえって勉強する気になれないよ…」

 

などと、悪態をついています。

 

私は、新聞の記事でもまだ読んでいないものがたくさんあるし、後で読もうと取り置いたものもたくさんあるので、これを読むいいチャンスだなどと大人の悪知恵を働かせて気楽に考えていました。

わざと会話をしないようにしていたこともあって、部屋の中はとても静かです。

そのため、いつの間にかうとうととしてきたのです。

これは息子も同じだったようで、夜の9時にはさっさと寝てしまいました。

私も久し振りに夜の10時には床に就きました。

 

すると翌朝、やはり早く寝たせいか午前4時ごろに一度目が覚めてしまいました。

さすがに今から動き出すのは早過ぎるだろうと思い、『眠れなくてもいいからしばらくは布団の中にいよう』と考えているうちに、また眠ってしまたのです。

 

ここからは夢の連続でした。

そして、最後に見た夢だけははっきりと覚えていたのです。

それは、小学校と中学校をまとめた同窓会が行われた夢でした。

転校していったクラスメイトまでもが全員参加しています。

挙句の果てには、どうしても顔も名前も思い出せないメンバーも数人いたのです。

この辺が夢の不思議なところです。

そして、眼が覚めてからもこれだけはっきりと覚えているような夢を見るのは本当に数年ぶりです。

 

午前7時過ぎに起きた私は、早速そのことを妻と息子に話しました。

 

妻「私もたくさん見たわ」

 

息子「僕も!」

 

どうやら家族3人、秋の夜長をそれぞれの夢でたっぷりと楽しんだようです。

 

                                      〔 カーネル笠井 〕