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この映画は、レンタル店で見かけてから、ずっと借りたいなと思ってたフランス映画です。
そこから引越してしまったので、借りれなくなってしまったんですが、この主役の男の子は「ピアニスト」「石の微笑」「王は踊る」「年下のひと」のブノワ・マジメルだったんです!!!

この映画でモモと呼ばれる男の子を演じていたのでした。
ブノワ、可愛い~!ますます観たくなって、レンタル店探したけれど、みつかりませんでした。
そこで、やはり新宿ツタヤ、ありました!念願かなって観ることができましたよ♪

北フランスの小さな町。この町に暮らす対照的な一家、ルケノワ家とクロゼイユ家。一方は、裕福で理想的な家庭。もう一方は、貧民地区で生活する貧しい家庭。そんな状況の中、妻が死んでも後妻にとってくれない医者に怒った看護婦が十二年前、両家の子供を取り違えたことを白状してしまう……。


エチェンヌ・シャティリエ監督、この映画が長編デヴューかな?写真観ましたが、なかなかハンサムな監督さんでした。この映画、良かったです!心に染みるような、愚かだけれど、いろいろなことがあるけれど、人生は続いていく。けっして人生は長く静かな河じゃない。。。

看護婦さんが、不倫相手の医者の不実に頭にきて、ルケノワ家とクロゼイユ家の赤ちゃんを交換してしまったのですが、このふたつの家は、全く共通点がない!同じなのは、子供が5人で父母という構成のみ。

ルケノア家はブルジョア階層。父親は電力会社の部長さん。時間通りに食事、おやつ、勉強と決まっている子供たちの規則正しい生活。教会の催しにも積極的に参加してます。(しかし、この神父様が、また胡散臭い。映画の中で描かれるこういった神父様はなんとなく偽善ぽい匂いがしますね。意図的でしょうが。)

一方、下層階級のクロゼイユ家。アルジェリアとの戦争で負傷し働けない父。小さい子供たちと病人のご主人の世話で手一杯の母。収入がないので、姉は売春し、子供たちは引ったくりで生活。一番上の兄は刑務所帰り。

ルケノワ家の男の子がクロゼイユ家で育ち、クロゼイユ家の女の子がルケノワ家で育ってしまった!

その事実を知った時、ルケノワ家の母はパニックになったが、モモを養子として引き取り、女の子はショックを受けないようにそのまま育てることに。クロゼイユ家は「ブルジョアのガキだったのかー。」と悔しそうにモモを見つめるが、そのモモは「これで稼げるじゃん!」と、お金と交換に、ルケノア家に行くことに。

最初から賢いモモはルケノア家に馴染んでいて、子供たちにも好かれ、楽しく暮らしてるかのようにみえたのですが、自分を育ててくれた家を差別するような、育ちを差別するようなことがあると、違和感と憤りを感じます。取り違えられた女の子が貧乏人と付き合うな!と言うと、真実を告げたり。(本当は、傷つくから黙っていてあげようと、最初に決めたのはモモだったんですが。)

嘘みたいにきちんとしていたルケノア家の子供たちも、モモの影響を受けて、変化していきます。
でも、それは、教会の教えを忠実に守ってからの行動だったりもしたのですが、母親は怒ります。その怒ってしまうところが、彼女の偽善だったんですけど。モモは、自分の本当のお母さんにも憧れと思慕の気持ちがありましたが、もうひとりのお母さんも大好き。クロゼイユ家への侮辱は許せなかった。実の母の偽善に反抗しました。

モモは、隣に住んでいたアルジェリア人の雑貨屋の一家とも仲良し。移民だからと、自動車を爆破されたり、差別を受ける一家ですが、モモだけは優しかった。
そして、ブルジョアの街から遊びにきたモモを街のみんなが以前と同じように歓迎してくれます。

困難があっても動じないで、どんな人々の間でも、優しく賢くしたたかなモモ。
差別意識にも敏感で、反骨精神もあるが、嫌われずに賢く暮らすモモ。
賢いモモは貧困の中、生きていく知恵を身につけたのですが、けっして家族を卑下せず、思いやりももち、誰にでも平等。差別する側の品性の卑しさは許せないモモ。

名前は?と聞かれて。「ルケノア・クロゼイユ・モーリス」と答えるモモ。

どちらでも上手くやっていきたいモモの気持ちが表れてます。

フランスの社会が移民問題、貧富の差、と問題を抱えてますが、モモのように賢く優しくしたたかに生きられたら・・・。

この子とこの映画が、なんだか大好きなりました!

予測不能、コントロール不能の事態に陥ったルケノア家の母親を、教会通いで本当に信仰が深くなっていた次男がこう慰めました。

「人生は長く静かな河じゃないんだよ、ママ」

本当にその通りですよね~。だから人生って面白い!と思えるような人になりたいです・・・。
モモを尊敬しました!