第1回『TBC海辺歌謡祭』最優秀賞 漢陽大学 チンゴムダリ(飛び石)1期 ”夏”
 
 KBSTV「コンサート7080」の司会、ペ・チョルスも『TBC海辺歌謡祭』の出身なのでチンゴムダリやフィーバーズが出演した際に、『TBC海辺歌謡祭』が話題に上ります。詳細を知りたくて調べてみました。 
 
 韓国ブログから抜粋
 
 『TBC海辺歌謡祭』は1978年8月31日に東洋放送主催TBCラジオで、第1回が恋浦(ヨンポ)海水浴場で開催されました。
 2回目からは海水浴場の会場から奨忠(チョンチュン)体育館に移り『海辺歌謡祭』から『若者歌謡祭』に改称し、1978年から1980年まで3回に渡って毎年夏に開催された大学生中心のコンテストです。
 前年の1977年に『MBC大学歌謡祭』が開催されましたが、その歌謡祭の成功はまだ未知数でした。1年後大学歌謡祭を真似た『海辺歌謡祭』に、全国津々浦々からそれぞれの音楽で参加した若者たち。その結果数多くの人気芸能人を輩出したコンテストになりました。この大会に参加した人々のその後の経歴は、”音楽や放送を職業にした人”と”一般人になった人”で分けられます。
 
 
 
 
 
 
 1978年第1回『TBC海辺歌謡祭』奨励賞 チャンナムドゥル(長男たち)(弘益大) ”風と雲”
 翌年チャンナムドゥルは1979年第1回『MBC川辺歌謡祭』で人気賞を受賞。受賞曲は”夏の海”。大賞はホンサムトリオ”祈祷”でした。
    「風と雲」
 
 吹く風よ お前は僕の力 すべての悲しみを 吹き飛ばせ
 広大な土地に 無限な海に 風が吹く 流れる雲よ お前は僕の夢
 高いあの場所へ連れて行け 青い空へと 永遠の場所へと
 雲が流れる 僕もついていこう 遥か彼方へと 夢を追って
 遥か彼方へ 吹く風よ お前は僕の力 
 流れる雲よ お前は僕の夢 青い希望の中 限りなく走る
 
 
 
 
 
 
 
 1978年『TBC歌謡祭』フルアルバム
 
  韓国ブログから抜粋
 
  波の音が流れている中、司会の挨拶から始まるこのアルバム。. こういう”臨場感”を知らせてくれる音はB面(7曲目)にも登場します。ところがアルバムを聞くと”ライブレコーディング”ではないことが分かります。関係者の証言によれば、ここに録音された音源は大会が終わった直後、スタジオで録音された音源だということです。
  このアルバムの特徴はA面とB面の1曲目を、ギターフォークのチンゴムダリ“夏”(最優秀賞)と、グループサウンズのブラックテトラ(熱帯魚)の “雲と私”(優秀賞)で収録していることです。
 ただ“夏”の場合、大学生アマチュアの創作曲ではなく作曲家イ・ジョンソンの曲で、演奏もセッションの力を借りたという点で、大会の主旨に符合するのかに対しては疑問があるという点があります。 
 他にも当時キャンパスグループたちの”素朴で真摯な”姿勢が、職業的なグループでは感じることができないフレッシュさを抱かせてくれています。 
  『TBC海辺歌謡祭』は他のどんなコンテストよりも、グループサウンズの参加が多かった大会です。『MBC 大学歌謡祭』が性別,・ジャンル別,・類型別で、バランスを取った点と対照的です。
 そのためかギターフォークのチュ・ビョンジン(6曲目)、チョ・インソク(9曲目)、ドレミ(10曲目), ウリドゥル(私たち)11曲目、チョ・ソンジェ(12曲目)などの歌はあまり印象的な部分がなく、ひどく言えばグループサウンドの付添い人のように聞こえます。本人たちが後にこれと言う音楽的経歴を残さなかったので、それほどの印象がないのかも知れません。
 
 この大会が開かれた 1978年は政治的混迷が始まった時点でもあります。そんな時こんなに ”よく遊んでいる”大学生たちのフェスティバルが、どんな意味を持つのかはまだ整理する時点が来ていません。ところがこんな意味を整理してもなくても、ここに参加した大学生たちを ”意識水準が低い”と評さなくても、このアルバムに収録された音楽は当時の若い人々なら、誰でも一度は聞いてまた口ずさんだ曲たちなのです。この音楽が最大の影響力を及ぼした階層は ”世の中をまだ分からなくて暮していた’”10代男の子たちだったという点は、後に「386世代」と呼ばれる世代の原動力になりました。 。
 
 注 1. 『TBC 海辺歌謡祭(若者の歌謡制)』が 『MBC 大学歌謡祭』に比べて幅広い人気を享受することができなかったことは、ラジオ放送局が主催したので映像を残して活用することができなかったという点です。そして『海辺歌謡祭』が『大学歌謡祭』のように続けることができず、遥かな思い出になってしまったことは、政府の「1980年言論統廃合」で、「TBC」が「KBS」に吸収されたからです。
 注 2. 漢陽大学生であるチンゴムダリがイ・ジョンソンの曲である “夏”で出場した背景には、イ・ジョンソンの高校の後輩であるチンゴムダリのメンバーが、ずいぶん前にイ・ジョンソンを尋ね、多くの曲の楽譜を持って行って練習をしていたと言う事情がありました。 イ・ジョンソンによれば、自分の許諾を受ける手続きを取らなかったと言います。これに対して他の参加者達は多くの抗議を送ったそうです。

 アルバム収録曲
 
 1. 夏 (最優秀賞) –チンゴムダリ(飛び石)(漢陽大)
 2. 風と雲 (奨励賞) – チャンナムドゥル(長男たち)(弘益大外) 02.54
 3.私のただ一つの願い(奨励賞)-ブルードラゴン(中央大)07.20
 4. そのままそのように (人気賞) – Fevers 12.26
 5. その海辺 (人気賞) – ボッニムドル 17.41
 6. ささやいてください – チュ・ビョンジン、チュ・ペシュク 20.29
Side B
 7. 雲と私(優秀賞)-ブラックテトラ 22.57
 8. 世の中分からなくて暮して(人気賞) – ランウェイ 27.33
 9. このごろ (奨励賞) – チョインソク 31.20
 10. 愛の楽しみ – ドレミ 34.45
 11. 夢の中で – ウリドゥル(私たち) 39.13
 12. 本当に愛するから (奨励賞) – チョ・ソンジェ 42.58
 
 本来キャンパスグループたちの名前は英語に名づけされましたが ‘国語順化運動’の効果でグループの名前をハングルに改名した場合が多いです。ランウェイは「滑走路」、フィバーズは「熱気たち」、ブルードレゴンスは「青竜」など。